足のしびれには、神経が圧迫されて起こる【神経性】のしびれ、血管が圧迫されて神経の血流が悪くなることで起こる【血管性】のしびれ、服用した薬の副作用として起こる【薬剤性】のしびれなどがあります。
今回は、足のしびれの原因や考えられる病気、診療の仕方をご紹介いたします。
しびれの種類
一言にしびれといっても「触っても感覚がにぶい」「冷たさや熱さが感じにくい」などの感覚鈍麻 (感覚の低下) を意味することもあれば、「ジンジンする、ビリビリする」、「針でさされたような感じ」、「灼けつく様な感じ」などの異常感覚を意味することもあります。また、「手足に力が入りにくい」、「動きが悪い」などの運動麻痺 (脱力) をしびれとして表現することもあり、患者様によってまちまちです。
しびれを引き起こす病気
椎間板ヘルニア
脊椎を構成している椎体という骨の間でクッションの役目をしている椎間板が、加齢等で変性して潰れ、一部分が突き出るかあるいはその位置から飛び出すなどして、神経を圧迫する疾患です。代表的な症状は腰痛ですが、お尻から足にかけてびりびりとしびれを感じます。
主な原因は、加齢や重いものを持ち上げる等の負担から起こり、悪化すると歩行困難になります。
足根管(そっこんかん)症候群
足の裏の神経は、足首の内くるぶしの下を通っています。この内くるぶしの部分は、狭いトンネルの中に神経と動脈、静脈が一緒に走っているため、神経が傷みやすく、慣れないきつい靴を履き続けることなどが原因でしびれが起こります。その他にも、外傷後(足首の捻挫、果部骨折踵骨骨折など)や足首の変形、 ガングリオン、静脈瘤動脈硬化した動脈などの圧迫なども原因と考えられますが、特定しきれない例もあります。
症状は足の裏のかかと以外の範囲に放散する痛みやピリピリ、 ジンジンするしびれを感じます。「砂利の上を歩いているよう」とも表現され、飲酒や入浴で悪化し、夜間や歩行時に目立つことがあります。
灼熱脚症候群
足が焼けつくようにしびれる、痛むというこの病態は高齢者にしばしばみられる相対的に非進行性のしびれです。
原因はさまざまですが、ビタミンBの欠乏、糖尿病、甲状腺機能低下症などが考えられます。
その症状は、足底に始まり、くるぶし以下の足全体に及びます。ヒリヒリ・チクチク刺すようなしびれと足が熱く感じ、とくに夜間に悪化します。
肢端紅痛症
肢端紅痛症は足や手が突然真っ赤に腫れて熱くなり、じんじんと激しく痛みます。持続性や発作性、急性や慢性、激しいものや痛みが少ないものなどがあります。
症状が激しい場合は、冷水に手足を浸すと緩和されますが、効果は一時的です。
薬剤性のしびれ
副作用として、しびれが起こるお薬は、多種多様です。
代表的な薬は、高脂血症治療薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬”スタチン系”) や抗がん剤(ビンクリスチン.パクリタキセル. シスプラチンなど)、抗ウイルス、結核薬(イソニアジド.エタンブトール)などがよく知られています。
しびれを感じたときは、服用しているお薬についてまずは、かかりつけ医に相談しましょう。
くれぐれも自己判断で、薬をやめたりしないようにしてくださいね。
危険なしびれ
しびれの原因には、一秒でも早く治療を必要とするような、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害があります。
突然しびれを感じるようになる、同時にろれつが回らないなどの症状がある場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
先にもご説明した通り、しびれには様々な症状と原因が考えられます。
そんな中で非常に重要なのは、丁寧に診察を行い、神経学的診察から原因を推定し、適切な検査を行った上で正しい診断を行う事です。
正しい診断をすることで、スムーズに治療を始めることができます。
大清水クリニックでは、神経内科専門医が丁寧に診察をおこなった上で、より専門的な治療や手術が必要な場合は、連携病院への紹介も行っております。
つらいしびれ・頭痛・めまい・等にお困りの方は名古屋市緑区の大清水クリニックへお気軽にご相談ください。