【認知症チェック】加齢と認知症の物忘れの違い

物忘れの回数が増えてきたと感じたとき、真っ先に思い浮かぶのが「認知症」ではないでしょうか。しかし、物忘れは加齢によって起こる場合もあり、歳を取ると誰にでも起こりうるものです。今回は、加齢と認知症の物忘れの違いの解説と併せて、すぐにできる認知症のチェック項目を紹介します。

加齢で起こる物忘れ

物忘れは病気が原因だけではなく、加齢によっても起こります。記憶力は繰り返して行うことである程度維持することが可能です。

 

しかし、筋力や視力の低下などと同じように、物忘れも年齢とともに低下することが分かっています。

これまでできていたことが急にできなくなる、突然わからなくなるなどはなく、「うっかり」忘れているのが加齢による物忘れの特徴です。

 

加齢による物忘れの特徴は以下の通りです。

・忘れっぽくなったことを理解できている
・過去の体験そのものは覚えているがその詳細を忘れている
・日常生活や習慣として行う行為には支障はない
・物事の適切・不適正などの判断は正しくできる
など

 

認知症で起こる物忘れ

認知症とは、脳の病気や障害などの原因により、認知機能が低下して日常生活全般に支障をきたしている状態を言います。

初期は加齢による物忘れに見えることも珍しくありません。しかし、これまで普段通りにできていた日常的な作業でのミスが増えたり、お金の計算ができなくなったりするなど徐々に行動が目立つようになります。
記憶力だけでなく、思考や理解力、判断力、計算などの能力の低下がみられるのも認知症の特徴です。

認知症による物忘れの特徴は以下の通りです。

・忘れっぽくなったことを自覚できていない
・体験したこと自体を忘れている
・日常生活や習慣として行う行為に支障が出ている
・物事の適切・不適切などの判断が正しくできない
・お金の勘定ができなくなる
・憂うつ、不安になっていることが増えた
など

 

若年性の認知症にも注意

認知症は、高齢者に多い病気です。しかし、65歳未満でも認知症を発症することがあります。これを「若年性認知症」と呼び、働き盛りの世代で発症するため、本人や家族の生活への影響が多くなりやすいのが特徴です。

若年性認知症は、仕事や家事でミスや物忘れが増えても、疲れや更年期障害、うつ状態などの認知症とは別の病気などと思ってしまうことや仕事などの忙しさから認知症の発見が遅れることがあります。認知症の症状が目立ってきて、ようやく診断される例も少なくないため、早めの受診が大切です。

 

受診前に「認知症チェック」をしてみよう

近ごろ物忘れが増えてきて「認知症」の心配があるときは、自分や家族でもできる認知症チェックリストを使って「はい」が何個あるか調べてみましょう。

1.同じことを短い時間で何度も言ったり聞いたりする 〇はい   〇いいえ
2.「あれ」「これ」などモノや人の名前が出てこない 〇はい   〇いいえ
3.以前はあった興味関心がなく、日課をしなくなった 〇はい   〇いいえ
4.置き忘れ、しまい忘れが目立つ 〇はい   〇いいえ
5. 時間や場所の感覚が不確かで、約束ごとを間違える 〇はい   〇いいえ
6. 計算ミスが増えた 〇はい   〇いいえ
7. 慣れている所で、道に迷うことがある 〇はい   〇いいえ
8. 蛇口やガス栓の締め忘れが目立つ 〇はい   〇いいえ
9.薬の管理ができず、飲み忘れが増えた 〇はい   〇いいえ
10.脳卒中になったことがある 〇はい   〇いいえ
11.よくむせる、しゃべりにくい 〇はい   〇いいえ
12.以前から高血圧や糖尿病がある 〇はい   〇いいえ
13.歩幅が狭くなり、歩きにくくなった 〇はい   〇いいえ
14.トイレに行く回数が増えた、尿漏れがある 〇はい   〇いいえ

「はい」が3個以上チェックのある人は、認知症の疑いがあります。ただし、認知症チェックリストはあくまでも目安であり、正確な認知症の診断ができるものではありません。

正確な診断のためには医療機関を受診してください。

 

まとめ

物忘れは誰でも歳とともに起こるものですが、忘れっぽくなっていることを自覚できていなければ認知症の可能性があります。また65歳未満で起こる認知症を若年性認知症と言い、早めの受診が必要です。チェックリストを参考に近くの医療機関を受診しましょう。

 

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