めまいや立ちくらみ、息切れ、動悸などの症状があるとき、疑われるのが貧血です。そして貧血になると頭痛の症状を訴える方もおられます。ではなぜ貧血になると頭痛が起こることがあるのでしょうか?
この記事では貧血のメカニズムと頭痛の原因、治療法、貧血を起こさないようにする生活習慣を頭痛専門医が解説します。
貧血とは?頭痛が起こるのはなぜ?
そもそも貧血は、血液の成分のひとつである赤血球に含まれる「ヘモグロビン」と呼ばれる物質が少なくなった状態です。ヘモグロビンは血流に乗って、酸素を全身に運ぶ働きをしているのですが、ヘモグロビンの量が少なくなると、全身に運ばれる酸素の量も少なくなって体に不調が現れるようになります。
貧血の原因は、骨髄機能の異常で赤血球の産生数が低下することや出血などで赤血球そのものが失われたことが原因です。女性の場合は、生理出血によって貧血を起こしやすいため、男性に比べて貧血の人の割合が多いことが分かっています。
貧血で頭痛が起こるのはなぜ?
貧血で頭痛が起こってしまう理由は、脳が酸欠状態になるためです。ヘモグロビンの量が減ると当然、脳に運ばれる酸素の量が少なくなるため頭痛の症状が現れます。
貧血でよく知られるめまいや立ちくらみの症状も、脳が酸欠状態になっているためです。
貧血の治療法
貧血の治療の基本は、鉄剤(造血剤)の服用です。また、原因を特定できれば、その病気の治療をすることで症状は改善します。
鉄剤を使用する場合は、1~2週間補給を続けることでヘモグロビンの量は増加し始めます。ただし、途中で服用をやめてしまうと貧血を再発してしまうこともあるため、3~4か月は鉄剤の服用を続ける必要があるでしょう。
貧血対策のために見直したい生活習慣
貧血うち、最も多いのが鉄欠乏性貧血と呼ばれる、体内の「鉄分」が不足したことで起きる貧血です。この鉄欠乏性貧血の予防には、生活習慣の見直しが大切です。
食生活の改善
鉄分はほうれん草やレバーなど幅広い食品に含まれています。そのため、バランスの良い食事を心がけることで、鉄を補給して貧血を予防することが可能です。
食品に含まれる鉄には「ヘム鉄」「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄は肉類や魚介類に多く、非ヘム鉄は野菜や大豆製品に多く含まれます。吸収率が高いのはヘム鉄ですが、肉や魚ばかりから鉄を摂取するのではなく、野菜や大豆製品からもバランスよく鉄を摂取しましょう。
欠食にも注意
忙しい人は朝ごはんを抜いたり、昼食や夕食を簡単に済ませたりしてしまいがちです。しかし、このような食生活は鉄分に限らず、必要な栄養素を摂取できていない可能性があります。
どうしても忙しいというときにはサプリメントを利用しながら、なるべく3食食事をして食材から栄養を摂取することが大切です。
まとめ
めまいや立ちくらみなどの症状が代表的な貧血ですが、実は頭痛も貧血の症状です。貧血で起こる頭痛は、脳が酸欠になっていることが原因です。鉄欠乏性貧血であれば、鉄分を補うことで改善しますが、なかには他の原因で貧血になっている場合もあります。
また、貧血と片頭痛が同時に起きていて、貧血由来の頭痛ではない可能性もあります。頭痛の症状が長引くときは、頭痛専門医を受診して詳しい検査を受けましょう。
大清水クリニックでは、患者様の症状を和らげ、快適な毎日をお過ごしいただけるよう診療に努力いたします。
また大清水クリニックでは、子供の頭痛はもちろんのこと、めまい・しびれに悩む女性に寄り添った治療もご提案しています。
つらい頭痛・めまい・しびれ等にお困りの方は名古屋市緑区の大清水クリニックへお気軽にご相談ください。