【専門医監修】耳鳴りを伴う頭痛の原因と対処法

頭痛とともに耳鳴りの症状がある場合、頭痛の辛さに加え、耳の中から聞こえる雑音に強い不快感を覚える方は多いと思います。中には、「耳鳴りで頭痛が余計にひどくなる」と感じる方もいらっしゃるでしょう。

また、頭痛発作時に毎回のように耳鳴りが起こると、耳や脳に何か異常があるのではないか・・・と不安に感じるものです。

今回は、頭痛に伴って現れる耳鳴りの原因と、その対処法について専門医が解説します。

耳鳴りは多くの人が経験する症状のひとつ

耳鳴りは、頭痛と同じく多くの方が経験する症状のひとつです。「ジー」「ピー」「ザー」など聞こえ方や程度には個人差があり、その多くは一時的なものです。
耳鳴りの原因には、騒音や爆音にさらされた後や、加齢によるもの、薬の副作用などがありますが、中には何らかの病気が関係していることもあります。

さらに、耳鳴りと頭痛が同時に見られるケースでは、ほかにも複数の症状を併発していることがあり、患者さまの不快感・苦痛は強くなります。
頭痛とともに現れる耳鳴りや他の症状に気づいたら、早めに専門医へ相談し、原因究明に努めることが大切です。

耳鳴りを伴う頭痛、考えられる原因は?

耳鳴りと頭痛が同時に現れる病気として、次のようなものが考えられます。

片頭痛

片頭痛は、血管の収縮や拡張が周囲の神経を刺激して起こる頭痛です。強いストレスや、ストレスから開放された後、睡眠や食生活の乱れ、気圧の変化(低気圧)などが影響します。

ズキズキとする拍動性の痛みだけでなく、吐き気・嘔吐・耳鳴りを伴うこともあります。片頭痛の前兆として、突然視野にキラキラした点や、キザギザした光が現れる症状(閃輝暗点)が見られることがあるのも特徴です。

 

ラムゼイハント症候群

水痘帯状疱疹ウイルスの感染により、帯状疱疹が耳に発症するのがラムゼイハント症候群です。
症状として、頭痛・耳鳴りのほか、顔面神経麻痺・めまい・耳周囲の水ぶくれ・難聴などが現れます。帯状疱疹によるこれらの症状は、後遺症を残すこともあるため早めの治療が大切です。

自律神経失調症

私たちの体は、生命を維持するために常に内部環境を一定に保つ働きがあり、この働きを司るのが自律神経です。自律神経は、交感神経と副交感神経が絶妙なバランスを保ちながら機能しています。

しかし、ストレスや生活リズムの乱れによって交感神経・副交感神経のバランスが崩れると、頭痛・耳鳴り・肩こり・食欲不振・めまい・睡眠障害・便秘や下痢など、さまざまな症状を引き起こします。

更年期障害

女性が40代半ばをすぎると、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが急激に減少し始めます。多くの女性が閉経を迎える50歳前後の10年間(45~55歳頃)を「更年期」と呼び、この期間はホルモンバランスの変化で自律神経が乱れやすく、更年期症状として頭痛耳鳴りを発症することがあります。

ほかにも、ほてり・めまい・息切れ・体のだるさ・手足のしびれ・イライラ・気分の落ち込みなど、更年期特有の症状を訴える方が多くなります。

以上のような病気・状態のほかにも、頭蓋内圧亢進症や聴神経腫瘍(良性腫瘍)などが原因となることもあるため、症状に気づいたら早めに医療機関を受診することが大切です。

適切な診断・治療のためにも、早めに専門医にご相談を

耳鳴りを伴う頭痛の場合、片頭痛であれば薄暗い場所でしばらく横になる、痛みのある部位を冷やすなどの対処法で改善することもありますが、ラムゼイハント症候群のような感染症の場合は、病気に対する根本的な治療が必要です。
また、自律神経失調症や更年期障害においても、普段の生活習慣の見直しやストレス対策、ホルモン療法など専門的な治療が必要となることもあります。
いずれの場合も、自己判断やセルフケアで何とかしようとせず、医療機関で適切な診断・治療を受けることが大切です。全身を幅広く診察する神経内科では、症状や検査結果などを総合的に判断し、適切な診療科にご紹介することも可能です。

耳鳴りや頭痛でお困りの方は、一度神経内科医・頭痛専門医に相談されてみてはいかがでしょうか。
大清水クリニックでは、患者様の症状を和らげ、快適な毎日をお過ごしいただけるよう診療に努力いたします。

また大清水クリニックでは、子供の頭痛はもちろんのこと、めまい・しびれに悩む女性に寄り添った治療もご提案しています。
つらい頭痛・めまい・しびれ等にお困りの方は名古屋市緑区の大清水クリニックへお気軽にご相談ください。

 

 

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