インフルエンザのつらい頭痛|専門医が受診の目安を解説します

冬季に流行するインフルエンザは、高熱や倦怠感、頭痛が特徴です。インフルエンザによるつらい頭痛はなぜ起こるのでしょうか。
この記事では頭痛専門医がインフルエンザの頭痛の特徴や受診の目安などを解説します。

インフルエンザの頭痛の特徴

インフルエンザは「インフルエンザウイルス」が原因で起こる冬季に流行する急性の呼吸器感染症です。
突然38度以上の高熱や全身の倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などの全身症状が特徴で、普通の風邪に比べて重症化しやすいことでも知られています。

インフルエンザで頭痛が起こるのは、ウイルス感染に伴うものと、発熱・水分摂取量の低下による脱水が原因です。

 

ウイルス感染による体の防御反応

インフルエンザなどのウイルスに感染すると、体はウイルスに対抗するために「プロスタグランジン」と呼ばれる物質を生成します。

このプロスタグランジンは体温を上昇させる物質であるとともに、痛みを引き起こす作用もあります。そのため、頭痛や関節痛、筋肉痛などの症状が現れやすいのです。

 

発熱・水分摂取量の低下での脱水による頭痛

インフルエンザは38度以上の高熱も症状の1つです。高熱が続くと、体から水分が失われたり、思うように水分を摂れなかったりして脱水気味になってしまうことがあります。

すると、こめかみから前頭部にかけてズキズキとした頭痛が起こってしまうのです。

 

インフルエンザの頭痛はいつまで続く?

インフルエンザによる頭痛は、熱と同じく発症から数日以内で自然に改善します(※個人差あり)。

通常はインフルエンザを発症してから5日ほど安静に過ごせば改善する場合がほとんどですが、適切な治療をしないでいると重症化することがあります。

特に、子どもや高齢者、持病がある、妊娠中の場合は熱や頭痛が長引いて重症化することもあるため、早めに医療機関を受診しましょう。

 

インフルエンザの頭痛の受診目安は?

インフルエンザは必ずしも高熱が出るわけではなく、熱はないものの頭痛だけが続く場合もあります。反対に高熱が数日続くこともあり、症状に合わせて受診を検討しましょう。

 

できるだけ早く受診すべき症状

以下のような症状があれば、速やかに医療機関を受診しましょう。

 これまでに経験のないようなひどい頭痛
 短時間で急激に頭が痛くなる
 38度以上を伴う頭痛や吐き気
 手足のしびれや麻痺を伴う頭痛

これらの頭痛はインフルエンザの悪化による、髄膜炎や脳炎の可能性があります。また、麻痺やしびれは脳卒中などの重篤な病気が疑われます。

インフルエンザを発症して症状が悪化する場合は注意が必要です。

 

熱はなく頭痛だけの場合の受診のタイミング

熱がなく単に頭痛だけの場合も受診した方がよい場合があります。インフルエンザは冬季に流行する感染症で、発症初期は熱が出ず、次第に高熱になる場合もあります。

家族が感染していたり、周囲で流行していたりする場合は、頭痛や倦怠感、食欲不振などの体調変化を踏まえて受診を検討しましょう。医療機関での治療にはタミフルやリレンザ、解熱剤などの薬を使用します。

急激に悪化することもあるため、熱がないからと言って自己判断で対処するのは控えましょう。

 

まとめ

インフルエンザは冬になると全国で流行します。
今年はいつもより早く流行期を迎えていることから、手洗いうがい、予防接種が大切です。インフルエンザの頭痛は解熱とともに改善しますが、症状が長引くときは医療機関を再度受診しましょう。

大清水クリニックでは、患者様の症状を和らげ、快適な毎日をお過ごしいただけるよう診療に努力いたします。
また大清水クリニックでは、子どもの頭痛はもちろんのこと、めまい・しびれに悩む女性に寄り添った治療もご提案しています。
つらい頭痛・めまい・しびれ等にお困りの方は名古屋市緑区の大清水クリニックへお気軽にご相談ください。

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