前回、前々回と手のしびれ、足のしびれについてご紹介しましたが
体のしびれが起こるのは、手足だけとは限りません。
今回は、顔や顔の一部に起こるしびれ、手足以外の体に起こるしびれの原因や考えられる原因について、解説してまいります。
顔のしびれ
顔に起こるしびれで、代表的なものは三叉神経痛でしょう。
三叉神経痛
三叉神経とは、顔の感覚(痛い、冷たい、暖かい、触った、など)を脳に伝える神経で、脳から出た神経が、3つに分かれていることから、三叉神経と呼ばれています。
三叉神経に血管が接触することによって、神経の伝導に障害が出て誤った電気信号が脳に伝わります。例えば軽く顔に触れただけでも脳では、顔に痛みやしびれも起こっているように感じてしまうのです。
痛みが口回りに起きると、歯の痛みと誤ってしまう事があるので注意が必要です。
多発性硬化症
多発性硬化症は、脳や脊髄、視神経のあちこちに病巣ができ、症状は顔のしびれだけでなく、様々な症状が現れます。症状は、患者様により様々で顔のしびれのほかにも、手足の感覚の障害、歩行や運動の障害、眼の障害なども見られます。
20~30歳代で発症する人が多く、また男性よりも女性のほうが約3倍も多いことが分かっています。
手口感覚症候群
片方の手とその同側の口囲領域が同時にしびれを感じる場合は、手口感覚症候群の疑いがあります。
手口感覚症候群は、脳内で軽度の脳梗塞が起き、しびれや感覚の障害が起こっている状態です。発症してすぐに治療をすることで、深刻な脳梗塞の発症を防げる可能性がありますので、軽いしびれでも軽視せずに、かかりつけ医に相談しましょう。
脳梗塞
手のしびれや足のしびれと同様に、顔のしびれでも特に気をつけなければならないのは、脳梗塞でしょう。
・突然、顔、手足のしびれ、または脱力感が片側だけに起こった場合。
・突然、言葉の障害、ろれつが回らないようになった場合。
・突然、片目、あるいは両目が見えない、見えにくくなった場合。
・突然、めまいや歩行障害が起こった場合。
・突然、激しい頭痛が起こった場合。
上記のような症状が出た場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
体のしびれ
体幹にしびれ.痛みが起こった場合の、最も多い原因はおそらく帯状庖疹でしょう。
帯状疱疹
過去に水ぼうそうにかかったことがある方なら誰でもなる可能性がある帯状疱疹は、身体の左右どちらか一方に、ピリピリと刺すような痛みが起こり、これに続いて赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状にあらわれる病気です。
加齢、疲労、ストレスにより免疫力が低下した時に発症しやすくなります。痛みが始まってから1週間ほどたってから皮膚の症状がではじめるので、初期に病院に行っても帯状疱疹とわからない場合も多いようです。
糖尿病による神経障害
糖尿病によって血糖値が高い状態が続くと、手足などの末梢神経が障害を受け、しびれなどの原因となることがあります。
既に治療をしているのであれば、かかりつけ医に相談してみるのもいいでしょう。
過換気症候群
不安や恐怖痛みやストレスで過呼吸の状態となり、血中二酸化炭の減少が生じて発症します。
過換気症候群でも、手先(や脚、口の周り)のしびれや硬直が見られます。
どの年代の男女ともに起こりますが、10~20代の女性にやや多く見られます。
先にもご説明した通り、しびれには様々な症状と原因が考えられます。
そんな中で非常に重要なのは、丁寧に診察を行い、神経学的診察から原因を推定し、適切な検査を行った上で正しい診断を行う事です。
正しい診断をすることで、スムーズに治療を始めることができます。
大清水クリニックでは、神経内科専門医が丁寧に診察をおこなった上で、より専門的な治療や手術が必要な場合は、連携病院への紹介も行っております。
つらいしびれ・頭痛・めまい・等にお困りの方は名古屋市緑区の大清水クリニックへお気軽にご相談ください。