突然のしびれ・めまい・吐き気は、脳の病気で現れやすい症状です。
重篤な病気である可能性も高く、早急な対応が必要となります。
もし大切な家族が目の前で病に倒れたとき、その場でできることは何でしょうか?
今回は、専門医監修にて、緊急性の高い脳の病気の特徴と、その場に居合わせた方がとるべき対応について詳しく解説します。
目次
突然のしびれ・めまい・吐き気は脳卒中のサイン
しびれ・めまい・吐き気などの症状が突然現れた場合、まず疑うべき病気は「脳卒中」です。
命に関わる危険性もある脳卒中とは、どのような病気なのでしょうか?
脳卒中とは?
脳卒中は「脳梗塞」「脳出血」「クモ膜下出血」「一過性脳虚血発作」の総称で、脳の血管が詰まる・破れることによって血液が回らなくなり、脳の神経細胞が正常に働かなくなる病気です。
脳は全身のあらゆる機能をコントロールする司令塔であり、生命維持に欠かすことのできない重要な器官です。そのため、脳卒中でダメージを受けるとさまざまな症状が現れます。
脳卒中の特徴的な症状
脳卒中の代表的な症状には以下のようなものがあり、突然発症するのが特徴です。
・顔や手足のしびれ、脱力感(左右どちらか一方に現れる)
・舌がもつれてうまく話せない、相手の言っていることが理解できない
・片目あるいは両目が見えなくなる、物が二重に見える
・めまい、ふらつき
・ひどい吐き気、嘔吐
・激しい頭痛
脳卒中は日本人の死因第3位
脳卒中の怖いところは、命に危険を及ぼす可能性があること、さらに一命を取り留めた後も後遺症による影響が大きいことが挙げられます。
実際に、脳卒中はがん・心疾患に次ぐ日本人の死因第3位(厚生労働省 平成29年度人口動態統計10_h6.pdf)であり、介護が必要になった原因の第2位(厚生労働省 平成28年度国民生活基礎調査05.pdf)となっています。
早急な対応が予後を左右する
このように生活を一変させる危険性のある脳卒中ですが、一刻も早く治療を受けることで救命・回復する確率は高くなります。
脳卒中の初期治療の目安は「発症後3~6時間以内」と言われています。脳卒中のサインに気づいたら、すぐに病院を受診することが鉄則です。
身体の異変に気づいたら
ご自身で異変に気づいた場合は、すぐに周囲へ助けを求めましょう。「なんとか歩けるから自分で病院に行く」というのは非常に危険です。
症状を悪化させないためにもその場で横になり、救急車が到着するまで安静に過ごしてください。
家族が急に不調を訴えたら
ご家族が急なしびれ・めまいなどの症状を訴えた場合は、近くにいる人が速やかに対応してください。
対応のポイントは以下の通りです。
①救急車を呼び、救急隊が到着するまで安全な場所で休ませます。このとき、頭をなるべく動かさないようにしましょう。
②吐き気や嘔吐がある場合は、誤飲や窒息を防ぐため身体ごと横向きにします。手足にしびれや麻痺がある場合は、症状の出ている方を上向きにして寝かせましょう。
③衣服のボタンやベルトを緩めます。枕は使用せず、呼吸が苦しそうな場合は巻いたバスタオルを肩の下に入れると楽になります。メガネや入れ歯なども外しておきましょう。
④救急車が到着するまでに診察券・保険証・お薬手帳・現金などの準備をして、発症の経過(いつから・どのような症状が起きたか)や、これまでにかかった病気を簡単にメモしておくと良いでしょう。
症状が軽い・落ち着いても油断は禁物
症状が軽く、すぐに落ち着くような場合でも油断は禁物です。
軽い頭痛・物が二重に見える・短時間で消失するしびれや麻痺症状は、クモ膜下出血や脳梗塞の前触れである可能性があります。
何事もなかったからと安心せず、再び大きな発作が起こる前に専門医を受診しましょう。
異変に気づいたら一刻も早く受診を
繰り返しになりますが、急なしびれ・めまい・吐き気などの異変は早期受診がカギとなります。
すべての病気に言えることですが、とくに脳卒中の場合は「一刻も早く診断を受け、初期治療を開始すること」が非常に重要だからです。
普段から軽い頭痛・めまい・しびれなどの症状がある方は、重篤な病気が潜んでいることもありますので、信頼できる専門医に相談されることをおすすめします。
大清水クリニックでは、患者様の症状を和らげ、快適な毎日をお過ごしいただけるよう診療に努力いたします。
また大清水クリニックでは、子供の頭痛はもちろんのこと、めまい・しびれに悩む女性に寄り添った治療もご提案しています。
つらい頭痛・めまい・しびれ等にお困りの方は専門医在中の、名古屋市緑区の大清水クリニックへお気軽にご相談ください。