【頭痛専門医が解説する】夏に起こる頭痛の種類

頭痛は、季節の変わり目に起こりやすい症状のひとつです。「夏になると頭痛がひどくなる」という方は、高温多湿や強い日差しといった夏ならではの気候や、体を冷やす生活習慣が影響しているかもしれません。
今回は、そんな「夏に起こる頭痛」をテーマに、原因や対処法について解説します。夏本番を迎えて頭痛に悩んでいる方、有効な予防法・対処法を知りたい方はぜひ参考にしてください。

 

夏になると頭痛が起こりやすいのはなぜ?

頭痛は、季節の変わり目に起こりやすい症状のひとつですが、夏も例外ではありません。
夏に起こる頭痛の原因には、次のようなものがあります。

暑さによる脱水症状

年々ひどくなる夏の暑さで、軽い熱中症や脱水症になる方は少なくありません。
とくに7月から9月にかけての熱中症シーズンは要注意で、多量の汗をかいて体内の水分・塩分が失われると、脱水症になり頭痛を引き起こすことがあります。

強い日差し・高温多湿の気候

太陽の光は偏頭痛を起こすきっかけとなります。元々偏頭痛持ちという方は、夏の強い日差しが刺激となり、普段よりも頭痛を起こしやすいため注意が必要です。
また、気温や湿度の高さで血管が拡張すると脳神経が刺激され、頭痛を引き起こすこともあります。

体の冷やしすぎ

夏になると、「職場や公共施設の冷房が効きすぎて冷える」という悩みが出てきます。さらに、暑さで食欲が低下し、冷たいもの中心の偏った食生活も体を冷やす原因です。
このような「冷え」は筋肉を収縮(緊張)させ、血行不良による首・肩のこりを招き、緊張型頭痛へと移行することがあります。

室内・室外の気温差

冷房の効きすぎた室内から高温多湿の屋外へ出ると、急激な気温差によって自律神経のバランスに乱れが生じます。
自律神経には血管の収縮・拡張を調節する働きがあり、自律神経の乱れによって血管の働きが悪くなると、偏頭痛や緊張型頭痛の原因となります。

 

夏の頭痛はタイプに応じて対処しましょう

このように、夏に起こる頭痛は「気候」「脱水症状」「冷え」「室内外の気温差」など複数の原因が絡み合っています。
夏の頭痛を予防するためには、これらの原因をなるべく取り除き、頭痛のタイプに応じた対処をすることが大切です。

偏頭痛タイプ

強い日差しが原因の偏頭痛タイプは、光の刺激を極力避けることが大切です。日差しの強い時間帯の外出はなるべく控え、屋外ではサングラスや帽子を着用するといった工夫をしましょう。
また、脱水が原因で偏頭痛を生じることもあるため、こまめな水分補給を心がけてください。
頭痛を感じたらなるべく体を動かさず、薄暗い静かな場所で横になりましょう。さらに、こめかみや頸動脈を冷やすと、脳血管が収縮して頭痛の緩和が期待できます。

緊張型頭痛タイプ

体の冷やしすぎや、急激な気温差で頭痛が起こる場合は、緊張型頭痛の可能性があります。
このタイプの頭痛は、首・肩の筋肉が緊張し、血行不良で老廃物が溜まることが原因です。首や肩にホットタオルを当てる・入浴をする・軽い運動をするなど、筋肉の緊張を和らげて血流を改善させましょう。

また、普段から体を冷やさない工夫も大切です。冷たい飲食物の摂りすぎに注意し、外出の際は羽織るものを一枚持って行くなどの冷え対策を行いましょう。
普段からストレスを溜め込まないようにし、自分なりのリラックス法を見つける・十分な睡眠を取るなど、自律神経のバランスを整えておくことも重要です。

 

痛み止めの使いすぎは危険!セルフケアの注意点

ここで、頭痛対策を行う上での注意点があります。
普段から頭痛に悩ませられ、夏になると特にひどくなるという方は、痛み止めの使い方にも注意が必要です。
痛みを感じたらすぐに薬を服用したり、予防的に常用したりすることで「薬剤乱用頭痛」という新たな問題が出てくる可能性があります。
また、夏の暑い時季は血管が広がって血圧が低くなっていることもあり、そのような状況で痛み止めを服用すると、さらなる血圧低下を招いて危険な状態になることもあります。
慢性頭痛や季節性の頭痛にお悩みの方は、先述したような予防・対策をまず実践していただき、それでも痛みが改善しなければ早めに専門医に相談してください。

 

季節性の頭痛でお悩みの方は専門医にご相談を

夏に起こる頭痛は、夏特有の気候や生活習慣が影響しています。
まずは、頭痛の原因となるものをできる限り取り除き、頭痛を感じたら痛みのタイプ別に対処することが大切です。
また、間違った対処法は頭痛を悪化させることにもなるため、セルフケアだけでなんとかしようとせず専門医に相談されることをおすすめします。
大清水クリニックでは、患者様の症状を和らげ、快適な毎日をお過ごしいただけるよう診療に努力いたします。
また大清水クリニックでは、子供の頭痛はもちろんのこと、めまい・しびれに悩む女性に寄り添った治療もご提案しています。
つらい頭痛・めまい・しびれ等にお困りの方は名古屋市緑区の大清水クリニックへお気軽にご相談ください。

 

関連記事

  1. 耳の後ろが痛む頭痛「後頭神経痛」とは

  2. 女性の更年期障害の頭痛、肩こりなどの症状と薬について

  3. 頭痛に効くつぼ 薬が飲めない時に

  4. 【偏頭痛専門医監修】頭痛はずる休み?職場で誤解されずに理解を…

  5. 【梅雨頭痛】雨の日が続くときの頭痛の原因と対処法は?

  6. 【専門医監修】寒暖差によっておこる頭痛の原因と対策

PAGE TOP