必須ミネラルのひとつであるマグネシウムは、体の中で不足すると頭痛などの症状を引き起こすことがあります。特に片頭痛持ちの人はマグネシウム不足の人が多いことも分かっています。
この記事では頭痛専門医が、マグネシウム不足が引き起こす頭痛やそのほかの症状、改善法について解説します。
目次
マグネシウムはどんな栄養素?
マグネシウムは必須ミネラルの1つで、カルシウムやリンとともに骨や歯を作る働きをする栄養素です。
体の中では主に細胞の中に存在しており、300種類以上の酵素の働きをサポートする補因子として、エネルギー産生や筋肉の収縮、神経系の機能維持、心機能の維持などを行っています。
特に体内に存在しているマグネシウムの60~65%は骨の中に含まれています。
頭痛とマグネシウムの関係
マグネシウムが不足すると、体にはさまざまな症状が引き起こされます。頭痛もマグネシウム不足が原因で起こる症状の1つです。
まずは頭痛とマグネシウムの関係を説明します。
マグネシウム不足は頭痛を引き起こす?
マグネシウムが不足すると、脳の神経活動に異常が起きたり、神経伝達物質のバランスが崩れたりして、血流低下を引き起こし片頭痛が起こりやすくなることが分かっています。
そして、片頭痛持ちの約30%はマグネシウム不足であると言われています。片頭痛持ちの患者を対象にした調査では、マグネシウムの摂取により片頭痛の発作回数が減ったという報告も上がっています。※1
特に歳を重ねるとともにマグネシウムの吸収量が悪くなり、排泄量も多くなるために、マグネシウム不足を起こしやすくなります。そのため、日々の食事で意識してマグネシウムを摂取しましょう。
※1出典 A Peikert et al Prophylaxis of migraine with oral magnesium: results from aprospective, multi-center, placebo-controlled and double-blind randomized studyCephalalgia 1996 16(4)257-63
マグネシウム不足で起こるそのほかの症状
マグネシウム不足になると、頭痛のほかに以下の症状が現れることがあります。
・集中力や記憶力の低下
・こむら返りなどの筋肉のけいれん
・疲労感・倦怠感
・食欲不振
・気分の落ち込み・イライラ
・不眠
・不整脈
また長期にわたりマグネシウム不足が続くと、骨粗しょう症や高血圧、心筋梗塞、動脈硬化などのリスクが高まることもさまざまな研究により示唆されています。
とくにアルコールの過剰摂取やストレスなどは体内から排出されるマグネシウムの量が増えて不足しがちになるため注意が必要です。
マグネシウム不足を改善する方法
日本人のマグネシウムの推奨摂取量は日本人男性では約330~380mg、日本人女性では約270~290mgと設定されています。※2
通常の食事で摂り過ぎることはないとされているため、片頭痛が起こりやすい人は食品やサプリからマグネシウムを意識して摂取しましょう。
※2 出典|日本人の食事摂取基準(2025年版)
マグネシウムが豊富に含まれている食品
マグネシウムは藻類、魚介類、穀類、野菜類、豆類などさまざまな食材に多く含まれています。スーパーなどの身近なところで購入できて、日常的にも摂取しやすいのが特徴です。
例えば、ほうれん草や豆乳、バナナ、わかめ、納豆などに多く含まれているため、普段のメニューに取り入れてみてください。
サプリメントも活用しよう
食品からマグネシウムを摂取する以外にもサプリメントで補う方法もあります。
普段の食事でマグネシウムが不足していると感じるときは、サプリメントを活用しましょう。
ただし、食品で十分にマグネシウムを摂取できているにも関わらずサプリメントを過剰摂取している場合は、下痢などの症状がみられることがあります。
基本的にはバランスの良い食事を心がけ、必要に応じてサプリを活用しましょう。
まとめ
マグネシウム不足になると片頭痛のような頭痛をはじめ、倦怠感や食欲不振、集中力の低下などの症状がみられることがあります。
片頭痛の患者の約30%はマグネシウム不足であることが分かっているため、食品やサプリメントを使って意識してマグネシウムを取り入れてみましょう。
大清水クリニックでは、患者様の症状を和らげ、快適な毎日をお過ごしいただけるよう診療に努力いたします。
また大清水クリニックでは、子供の頭痛はもちろんのこと、めまい・しびれに悩む女性に寄り添った治療もご提案しています。
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