春先に頭痛に悩まされる人が増えるというのを聞いたことがあるでしょうか?
春は、多くの人に環境の変化がみられる季節です。新しい環境は、誰しも肩に力が入り緊張するもの。精神的に疲れが溜まり、自律神経の働きが悪くなり、それによって体調を崩す人が多く見られます。
今回は、頭痛外来の神経内科専門医として、春に起こる頭痛の原因と対処法をご紹介いたします
春に頭痛が増える原因
昔から、気象や天気が変化すると発症したり症状が悪化したりする病気は「気象病」と呼ばれ、天候が変わりやすい春や低気圧が続く梅雨、台風の多い秋などに、頭痛やめまい、ぜんそく、うつ病など、様々な症状が悪化すると言われています。
以前、「痛みの王様」と言われるほど頭痛の中でも症状がつらい群発頭痛をご紹介しましたが
患者様の動向を見ていると、経験上「群発期」と言われる発作が起こる期間も、春先に集中していることがわかります。
それでは、頭痛が起こる原因として考えられる要因を解説いたします。
【環境因子】急激な気圧と気温の変化
頭痛と気候や天気は密接な関係があります。
3月頃から、雨が多く降り、気圧・気温の変化が激しくなり、片頭痛に悩まされている方にはつらい時期となります。
日が長くなり、徐々に温かくなって、本来は大変気持ちの良い季節ですが、徐々に強くなる日差しで受ける光が原因となり、片頭痛が起こってしまう場合もあるのです。
【精神的因子】環境の変化によるストレス
春は、社会的にも進学、進級、就職、転勤、人事異動などで環境が大きく変化する方も多く、ストレスを感じる人が増える時期です。
精神的緊張、疲れ、ストレスからくる睡眠不足または過睡眠なども頭痛が起こる原因の一つと言えるでしょう。また、緊張から解放された休日になると急に頭が痛くなる方が多いのも特徴です。
春の頭痛対策は?
対策としては、まずは心と体をゆっくり休ませることをお勧めします。
体の疲れを溜めたままですと、疲れがストレスを生み、ストレスが頭痛の原因となるなどして悪循環になってしまいます。
しっかり休養を取って、規則正しい生活を送ることを心がけてください。
その他にも、以下のような対策を取るのも良いかもしれません。
・頭痛の前兆がある方は、前兆が起きた時に薬の準備をしましょう(市販薬を使う場合は、用法容量をしっかり守って)
・天気予報やアプリで気圧気温の変化が激しい日をあらかじめチェックしておきましょう
・日差しが強くなってきたら、外出時はサングラスなどで対策を。頭痛が起きたら暗い静かな場所でゆっくり休むようにしましょう
・寝不足や寝過ぎ、極端な空腹状態を避けましょう
・我慢せずに早目に専門医での診療を受けましょう
日本は四季がはっきりしていますから、その分気圧の変化が顕著な国です。それに加えて、4月が年度始まりとなると、春に頭痛を訴える患者様が増えるのも当然ですね。上手に対策して、春をうまく乗り切っていきましょう。
偏頭痛じゃない意外な原因も
今年も、ニュースや天気予報で盛んに飛散量について取り上げられていますが、春に起こる頭痛の原因としてあげられるものに『花粉症』があります。
花粉症の症状というと、くしゃみ・鼻水・目のかゆみが、一般的ですが、寝ている間に鼻詰まりが起こると呼吸が苦しくなり、安眠できずに起こる睡眠不足や、花粉症から起こるアレルギー性結膜炎は、頭痛の原因となります。
花粉症の症状とズーンと頭が重く感じる、ズキンズキンと脈打つような痛みを感じる方は、まずは花粉症の治療をしてみることもお勧めいたします。
普段から、頭痛ダイアリーなどをつけておくと、診療の際にスムーズになるだけでなく、自分が感じている頭痛の原因を特定するのにも役立ちます。ぜひ、皆様もご活用ください。
大清水クリニックではそのような患者さまの症状を和らげ、快適な毎日をお過ごしいただけるよう診療に努力いたします。
また大清水クリニックでは、頭痛はもちろんのこと、めまい・しびれに悩む女性に寄り添った治療もご提案しています。
つらい頭痛・めまい・しびれ等にお困りの方は名古屋市緑区の大清水クリニックへお気軽にご相談ください。