お天気が良く日差しの暖かな日は、「ちょっと外出でも」という気分になりますね。
でも、そんな日に限って頭痛が起こり、気分も落ち込んで早めに帰宅する・・・なんてことはありませんか?もしかしたらその頭痛、「光」が原因かもしれません。
今回は、生活の中にある「光」が頭痛に及ぼす影響についてお話します。慢性頭痛にお悩みの方や、天気の良い日や明るい場所に行くと決まって頭痛が起こるという方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
頭痛が起こるメカニズム
頭痛は、他の病気が原因ではない「一次性頭痛」と、なんらかの病気が原因で起こる「二次性頭痛」に分類されます。一次性頭痛とは、片頭痛や緊張型頭痛などで、脳の血管の拡張や、首まわりの筋肉の緊張などによって起こると考えられています。
片頭痛とは?
片頭痛はこめかみから目のあたりが、ズキズキと脈打つリズムで痛みを感じるのが特徴です。前兆のある片頭痛と前兆のない片頭痛があり、前兆がある場合には、頭痛が始まる前に視界に違和感を覚えることもあります。
片頭痛の疑いのある人を含めるとすべての頭痛の症状の8.4%程度で、患者数が多いのがわかります。女性に多く、特に10~50代の女性に多く見られる症状です。
はっきりとした原因はわかっておらず、完璧主義傾向にある人や、神経質な性格の人などに起こりやすいとされています。また、特定の環境や食べ物が片頭痛を誘発することもあるため、そうした場合には片頭痛が起こる原因を避けることも大切です。
緊張型頭痛とは?
緊張型頭痛は、15歳以上の日本人のおよそ5人に1人が悩んでいるとされており、日本人の頭痛の中で最も多いタイプです。
ストレスや長時間のデスクワークや仕事などによって頭や肩、首の筋肉が緊張することで起こります。筋肉が緊張すると血流が悪くなり、その周囲の神経が刺激されて起こると考えられています。
片頭痛と大きく違うのは、ズキズキと脈打つような痛みではないこと(※痛みの感じ方には個人差があります)。また吐き気を伴わない場合もあります。緊張型頭痛も女性の方が男性に比べ1.5倍多く起こるようです。
二次性頭痛
二次性頭痛は何らかの病気により起こる頭痛です。頭痛は多くの場合、時間の経過とともに症状が落ち着くものがほとんどです。しかし、なかには脳に異常によって頭痛が起きている場合があります。この場合、すぐに治療をしなければ、命にかかわる可能性もあるため早急な受診が必要です。
二次性頭痛の代表的な病気には、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、髄膜炎・脳炎、外傷、感染などがあります。
じつは頭痛の原因に?生活の中にある「光」の影響
日本では、約4000万人もの方が慢性頭痛に悩んでいると言われています。
さらに、頭痛持ちの方は気候・光・音など外部環境の影響を受けやすく、それらの刺激によって頭痛・めまい・吐き気などの不調を訴える方が少なくありません。
とくに現代は、テクノロジーの進化や生活環境の変化で「光」を浴びる機会が増え、目や脳に刺激を受けやすい状況だと言えます。まずは、生活の中にあるさまざまな「光」が頭痛にどのように影響するのか理解しましょう。
太陽の光(直射日光)
「お天気の良い日に外出すると頭痛が起こりやすい」という方は、直射日光が頭痛の原因になっている可能性があります。
「太陽の光を直視しているわけではないのに、なぜ?」と思われるでしょうが、もともと慢性頭痛にお悩みの方は、そうでない方に比べて光に過敏に反応する傾向があります。日光を直視していなくても、無防備な状態で明るい日差しのもとにさらされることで光が眼球を通って脳を刺激し、頭痛を引き起こす原因になるのです。
パソコン・スマートフォンなどの光
現代はデジタル化が急速に進み、仕事でも私生活でも「パソコンやスマートフォンを使わない日はない」と言えるほどです。
これらの液晶画面から発せられるブルーライトが、眼精疲労や体内時計の乱れといった心身の不調に影響していることはご存知の方も多いと思います。じつはこのブルーライト、人間が見ることのできる光(可視光線)の中ではもっともエネルギーが強く、錯乱しやすい性質を持っています。パソコンやスマホを長時間使用すると目が疲れるのはそのためです。
網膜にまで達するほどの強いエネルギーが目や脳へ与える影響は大きく、目の疲れが原因で頭痛を引き起こしたり、脳を刺激して睡眠の質を低下させ、その結果頭痛を生じることもあります。長時間パソコン作業をするような仕事に就いている方は、光刺激による頭痛だけでなく、首・肩のこり(血行不良)による緊張型頭痛も合併している可能性があります。
LED電球の光
オフィスや店舗だけでなく、自宅でもLED電球を使用する機会が増えています。LEDは照度が高い割に省エネで、電球の寿命が長いので重宝されていますが、じつはLED照明にもブルーライトが多く含まれています。
「お店の照明がまぶしくてフラフラする」「オフィスに行くと頭痛が起こる」という方は、LEDによる光刺激が原因の可能性があります。
蛍光灯の光
蛍光灯の白色光は片頭痛を悪化させ、逆に緑色は片頭痛を和らげるという報告もあります。また、体調のすぐれないときに、蛍光灯のちらつきが刺激になって頭痛などの症状を悪化させることもあります。
普段から片頭痛を持っている人は、電球を変えたり間接照明などを取り入れたりして上手に活用しましょう。また、職場では蛍光灯の光を直接見ないようにするなどの工夫をしてみてください。
少しの工夫で光による頭痛は予防できます
このように、私達は生活のあらゆるシーンで「光」の影響を受けています。光は生活の中に欠かせないものであり、完全に遮断することはできませんが、少しの工夫で光刺激を和らげ頭痛を予防することは可能です。
外出時の日光対策
日差しの強い日にお出かけする際は、つばの広い帽子・日傘・サングラスを使用して直射日光による刺激を避けましょう。
このとき、サングラスはレンズの色が濃すぎないものを選んでください。濃い色のサングラスを使用すると、着用時と外したときの光のコントラストが強くなり、それが刺激となって頭痛を引き起こす可能性があるからです。
外出中はなるべく木陰を歩くようにし、もし頭痛が起きてしまった場合はなるべく暗くて静かな場所で休み、痛みのある部位や首の横を冷やすと痛みが和らぐことがあります。
パソコン・スマホの使用はブルーライト対策を忘れずに
パソコン・スマホを使用する際は、ブルーライトカットのメガネや液晶フィルムで対策を行いましょう。もちろん、長時間作用を控えることが前提です。
仕事でやむを得ず長時間のパソコン作業を行う場合は、1時間作業したら10~15分休憩する、目と液晶画面を40cm以上離すなどの工夫を行ってください。
自宅やオフィスの室内灯・外光対策
自宅でLEDを使用している方は照明器具や電球の見直しを行い、間接照明を使用するなどして室内が明るくなりすぎない工夫をしましょう。また外光が刺激となることもあるため、レースのカーテンやブラインドで明るさを調整してください。
オフィスでは、自宅のように気軽に照明を変えることは難しいと思います。一番手軽に行えるのは、デスクライトの向きや電球を変える・パソコンの液晶画面にグレア対策を行う(照明や外光の映り込みを予防するフィルム・カバーを取り付ける)などですが、可能であれば会社の人に相談して照明を間引いてもらう・光拡散カバーを取り付けてもらう・デスクの位置を変えてもらうなどの対策も行ってください。
いったん頭痛が起こると症状に苦しむだけでなく、仕事や家事に支障をきたすこともあります。
慢性頭痛のある方は光刺激が頭痛の引き金になることも多いため、痛みが起きてから対処するよりも、頭痛の起こりやすい状況をなるべく避け予防に徹することが大切です。
気になる頭痛は早めに専門医にご相談を
今回は光と頭痛の関係についてご紹介しましたが、患者様によって頭痛が起こる原因やタイミングはさまざまです。光による刺激だけでなく、ほかの要因が複雑に絡み合っていることもあるため、まずはご自身の頭痛がどのようなときに起こるのか・どんな痛みなのかを知ることからはじめましょう。
また、稀ではありますが何らかの病気のサインとして頭痛が現れるケースもあります。「たかが頭痛」と軽く考えず、気になる頭痛は早めに専門医にご相談されることをおすすめします。
大清水クリニックでは、患者様の症状を和らげ、快適な毎日をお過ごしいただけるよう診療に努力いたします。
また大清水クリニックでは、子供の頭痛はもちろんのこと、めまい・しびれに悩む女性に寄り添った治療もご提案しています。
つらい頭痛・めまい・しびれ等にお困りの方は名古屋市緑区の大清水クリニックへお気軽にご相談ください。