慢性的に頭痛が起こるとき、頭を冷やす方がいいのか、温める方がいいのか悩むことはありませんか?頭痛の対処法は頭痛の種類によっても異なるため、原因に応じた対策を講じましょう。
今回は、頭痛の種類や症状、頭痛別の原因と併せて、温め方・冷やし方や注意すべき頭痛などを専門医が解説します。
目次
片頭痛
片頭痛とは、何らかの原因で血管が拡張することで頭の片側・両側に脈を打つような痛みを伴う頭痛を言います。
この片頭痛はこめかみから目、ときには後頭部にかけて数時間~数日間ズキズキと痛むのが特徴です。また、症状がひどくなると、吐き気や頭痛を伴うことがあり、光や音に過敏になる傾向があります。
女性ホルモンとの関連があり、20~40代の女性に起こりやすいことが分かっています。
片頭痛の原因
片頭痛のはっきりとした原因はわかっていません。しかし、完璧主義や努力家、神経質な性格の人に起こりやすいと言われています。さらに、体質やストレス、疲労の蓄積が原因で片頭痛が起こることもあります。
チーズやワインなど、特定の食べ物で片頭痛が誘発されることもあります。これらの原因は、単体で起こることもありますが、複数の原因が重なって起こるため注意が必要です。
片頭痛の対処法は?温める?冷やす?
片頭痛は血管が拡張することで起こるため、痛いところを冷やすと良いでしょう。
片頭痛は光や音に過敏になる傾向があるため、暗い静かな場所で安静に過ごすことが大切です。また、片頭痛は十分な睡眠を取ることで改善します。片頭痛があれば、無理をせずゆっくり休みましょう。
緊張型頭痛
緊張型頭痛とは何らかの原因で、後頭部から首筋にかけて圧迫感を伴う頭痛を言います。
片頭痛のように、ズキズキと脈を打つような痛みや寝込むほど痛みではありませんが、頭を締め付けられているかのようなずっしりとした痛みが頭の両側に起こるのが特徴です。
この緊張型頭痛は、ときどき起こるものを反復性緊張型頭痛、毎日のように起こるものを慢性緊張型頭痛と分類されています。
緊張型頭痛の原因
緊張型頭痛は、身体的・精神的なストレスなどが原因となって起こります。
身体的ストレスは、長時間のデスクワークなどで首や肩の筋肉が緊張して血流が悪くなることや疲労物質の蓄積が刺激となって起こります。
精神的ストレスは、悩み事や不安感が長期的に続くことで起こります。生真面目な人や、几帳面な人に起こりやすいのが特徴です。
緊張型頭痛の対処法は?温める?冷やす?
緊張型頭痛は、ストレスが原因となって方や頭の筋肉が緊張により起こるため、筋肉をほぐすことが大切です。そのためには体を温めるのが効果的でしょう。
すぐに対処したいときは、ホットタオルを患部に当てたり、温かいアイマスクでリラックスしたりして、安静に過ごすことが大切です。また湯船に浸かって体を温めながらリラックスすることで症状が緩和することがあります。
緊張性頭痛はストレスが原因のため、生活習慣の見直しも大切です。
そのほかの頭痛の種類と対処法
頭痛にはいくつか種類があります。大きく分けると、病気が原因ではない一次性頭痛と何らかの原因で起こる二次性頭痛があります。片頭痛と緊張型頭痛は一次性頭痛に分類されます。
ここでは片頭痛と緊張型頭痛以外の一次性頭痛を解説します。
群発頭痛
群発頭痛は、1か月くらいの長期間で毎日ほぼ決まった時間に片目の奥に激しい痛みを伴う頭痛です。20~30歳代の男性に多いのが特徴で「目の奥をえぐられるような痛み」と表現する人もいます。
群発頭痛は年に1~2回の周期で起こり、睡眠中の特に明け方にかけて痛みが現れることが多いでしょう。痛みは1~2時間程度で治ることがほとんどですが、痛みを伴う方の目が充血したり涙が出たり、鼻水がでたりすることがあります。
アルコールが群発頭痛を誘発することが分かっており、一般の鎮痛薬ではほとんど効果がありません。そのため「トリプタン製剤」と呼ばれる特効薬を使用します。
後頭神経痛
後頭神経痛は、後頭部から側頭部・頭頂部の皮膚表面がピリッとする頭痛です。ピリッとした痛みを感じるのはわずか数秒で、だらだらと痛みが続くことはありません。
痛みと痛みの間には、間欠期と呼ばれる痛みのない時期があります。後頭神経痛になると、髪の毛を触るだけでビリビリと痛みを感じることもあるため、女性では髪を結ぶ動作が刺激になることもあるでしょう。
後頭神経痛の原因は、血管による圧迫やむち打ち、頭や首の手術、単純ヘルペス・帯状疱疹などの感染症、関節リウマチ、変形性頚椎症などがありますが、はっきりとした原因はまだわかっていません。
その他にも、肩こりや疲労・ストレスの蓄積が原因となることもあります。頭がピリッと痛むときは、後頭部から首・肩の筋肉をほぐしたり、十分な休息を取ったりしてストレスの解消を試みましょう。
薬剤誘発性頭痛(薬剤乱用頭痛)
片頭痛や緊張型頭痛などの一次性頭痛が起こると、楽になるために頭痛薬を頻繁に使うことがあります。しかし、頭痛薬を頻繁に使うと、頭痛薬を手放せなくなってしまい、薬を飲まなくなると頭痛が誘発され症状が悪化する可能性があります。
頭痛が起こると、症状がひどくなるのを恐れて早め早めに頭痛薬を飲む習慣ができると、頭痛薬に心理的に依存するようになります。この状態を「薬剤誘発性頭痛(薬物乱用頭痛)」といい、自分ではセーブできなくなるため注意が必要な状態です。
頭痛薬を月に10回以上、3ヶ月続けて飲んでしまうという人は、一度頭痛専門医に相談してみましょう。
注意すべき頭痛
頭痛の中には、命に関わる病気のサインとして頭痛が起こっている可能性があります。これらは二次性頭痛といい、頭を冷やしたり温めたりする前に救急要請を行いましょう。特に突発的に激しい痛みを伴う頭痛は注意が必要です。
注意が必要な頭痛には、高血圧やくも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、があります。以下のような症状が複数あれば早急に医療機関を受診しましょう。
・体の片側や手足に力が入らない
・体の片側や手足がしびれている
・言葉が出づらい、呂律が回らない
・物が二重になって見える
・めまい、ふらつきがありまっすぐ歩けない
・吐き気、嘔吐
・けいれん
など
これらの症状があるときは安静に過ごしたり幹部を冷やしたりする前に受診が必要です。救急車を呼ぶか迷うときは「#7119」に相談するのもよいでしょう。
まとめ
片頭痛や緊張型頭痛はそれぞれ対処法が異なります。片頭痛は冷やす、緊張型頭痛は温めることを覚えておきましょう。
自宅でできる対処法や市販薬でも改善が見られないときや、明らかにいつもと違う痛みを感じる場合は、医療機関の受診大切です。無理をせず、専門医に相談しましょう。
大清水クリニックでは、患者様の症状を和らげ、快適な毎日をお過ごしいただけるよう診療に努力いたします。また大清水クリニックでは、子供の頭痛はもちろんのこと、めまい・しびれに悩む女性に寄り添った治療もご提案しています。
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