眠気がないにもかかわらず、あくびが出た経験はありませんか?
あくびは眠気があるときだけではなく、片頭痛や酸欠時、病気の症状としても起こることがあります。この記事では片頭痛とあくびの関係やその他に起こる症状と併せて、酸欠時に起こるその他の症状、生活習慣の改善方法を専門医監修のもと解説します。
目次
生あくびは片頭痛の前兆!?
片頭痛とは、こめかみから目にかけて、片側を中心に、両側や後頭部までも脈打つようにズキズキとした痛みが起こる頭痛をいいます。
片頭痛が起こるメカニズムははっきりとわかっていません。
しかし、ストレスや、過眠・寝不足、月経周期による女性ホルモンの変化、天候・気圧の変化、空腹、肩こり、アルコール、完璧主義の傾向にある人などによって引き起こされていると考えられています。
また、片頭痛の前兆として生あくびが起こるともあります。これは、血管の収縮や拡張によって引き起こされるものです。
そもそも「生あくび」は通常のあくびとは異なります。
眠気からくるあくびとは違い、眠気や疲れがないにも関わらず頻繁に起こるあくびを「生あくび」として区別します。
片頭痛でこめかみがズキズキと脈打つように痛むのが分かるのは、生あくびによって血管の収縮や拡張されるためです。
疲れや眠気がないにも関わらず生あくびが出る人は片頭痛に注意しましょう。
片頭痛でみられるその他の症状
片頭痛は前兆症状として生あくびが出ることがありますが、その他にも以下のような症状が現れることがあります。
・情緒不安
・気分がすぐれない
・食欲低下
・吐き気、嘔吐
・光や音に敏感になる
・匂いに敏感になる
・眠気
・食欲低下
・疲労感
など
このような症状が5回以上、何度も繰り返される場合は片頭痛と診断されます。
片頭痛の痛みのピークは数時間程度ですが、症状が強い場合は頭痛以外にも上記の症状が現れることがあります。
特に片頭痛になると音や光、匂いに敏感になりやすくなるため、頭が痛いと感じるときは、安静に過ごせる暗い部屋で休むようにしましょう。
生あくびが頻繁に起こるときは、体が酸素不足になっている可能性があります。
そのため、深呼吸をして体に多くの酸素を取り込むように意識してみてください。
最近ではコーヒーなどに含まれるカフェインが片頭痛の予防と緩和に効果があることが分かってきました。
このカフェインは片頭痛に悩んでいるときや生あくびが続くときは、コーヒーや紅茶を飲んで休憩しましょう。
酸欠時の起こるあくび・頭痛
頻繁にあくびがでるときは、脳が酸欠状態になっている可能性があるでしょう。
酸欠になる原因は、部屋を閉め切っているなど室内の酸素濃度が低くなっているための環境の変化で起こる場合と、貧血や起立性低血圧などの疾患、睡眠不足、疲労などの体調不良が原因で酸欠が起こっている場合とが考えられます。
満員電車や密度の高い場所であくびが出るのは周囲の酸素濃度が低いためです。
外気の酸素濃度は約20%と言われていますが、満員電車や狭い部屋ではさらに低くなることが分かっています。
少しの時間なら問題はありませんが、長時間にわたって酸素濃度が低い場所にいる場合は注意が必要です。
こうしたときは一度集団から離れましょう。
酸素不足が原因で起こるあくびは珍しいものではなく、あくびは多くの酸素を取り入れられるための生理現象です。
しかし、なかには心筋梗塞や脳卒中の初期症状としてあくびが起こることもあります。気になる症状があればすぐに医療機関を受診しましょう。
酸欠時にみられるその他の症状
酸欠になるとあくびの他に以下の症状が現れます。
・眠気
・だるさ、疲労感
・集中力、注意力の低下
・目がかすむ、ぼやける
・頭痛
など
酸欠状態が長く続くと脳や目などの病気のリスクが高まります。部屋の空気を入れ替えたり、十分な休息を取ったりすることが必要です。
片頭痛に似ている緊張型頭痛にも注意!
片頭痛と間違えやすい頭痛に「緊張型頭痛」があります。
緊張型頭痛は、精神的・肉体的なストレスや疲労が慢性的に溜まることが原因で、首や肩の筋肉が緊張して周囲の血管や神経が圧迫されるために起こる頭痛です。
例えば長時間同じ作業をしていたり、環境の変化に身体が順応できていなかったりすると起こりやすいです。
また、睡眠不足が続いていることでも緊張型頭痛が起こりやすくなります。
睡眠不足で疲れがたまっているとあくびがでるため、片頭痛の前兆と勘違いしてしまうこともあるでしょう。
緊張型頭痛は、片頭痛ほどの寝込むほどの痛みではなく、頭をベルトで締め付けているような痛みと例えられます。頭痛のほかにも肩こりや首のこり、眼精疲労を伴うこともあるため、こうした症状があれば、緊張型頭痛を疑ってみましょう。
生活習慣の改善方法
片頭痛や酸欠などから起こるあくびの症状は、生活習慣を見直すことで改善する場合があります。ここでは生活習慣の改善方法を紹介します。
十分な睡眠をとる
片頭痛も酸欠も疲労やストレスによって起こる場合があります。そのため十分な睡眠はとても大切。またあくびなどの症状が起きているときにも睡眠をとることで改善します。無理をせず体を休めるようにしましょう。
適度に体を動かす
片頭痛や酸欠が起きているときは血行が悪くなり、体を巡る酸素量が減少しているため、適度に体を動かすことが大切です。
ジョギングなどの激しい運動でなくても、ストレッチやマッサージでも十分に効果があります。また、筋肉が凝り固まっている場合も血行が悪くなり、体を巡る酸素量は低下します。毎日の運動が難しい場合は、38℃くらいの湯船につかって、体を温めるとともに日々の疲れを癒やしましょう。
風邪のときも生あくびや頭痛が起こる
風邪をひいたときも生あくびや頭痛が起こります。
風邪は頭痛、鼻水や鼻づまり、喉の痛み、咳、たん、発熱などの症状の総称です。
風邪は子どもから大人までかかるもので、鼻水だけで済む場合や体のだるさだけで済む場合、頭痛がする場合、高熱で寝込んでしまう場合など症状の現れ方には個人差があります。
この風邪をひいたときにも生あくびが起こることがあります。
これも、鼻づまりなどが原因で、体に十分な酸素が取り込まれないため起こります。体に酸素を多く取り込もうとして体が頑張っているサインと考えましょう。
また、風邪をひいているときはいつもよりげっぷが出ることもあります。
これは、風邪をひいて胃腸が弱っているときに起こりやすいのが特徴です。風邪で食欲が落ちたり、消化が遅くなったりすると、胃の中にガスが溜まってげっぷが出やすいため注意しましょう。
風邪をひいているときは、げっぷだけでなく吐き気も起こりやすいため、食べ物にも注意が必要です。なるべく消化のいいものを食べるようにして、体をいたわりましょう。
気持ち悪いと感じたときには薬を飲んで安静にして過ごして下さいね。
病気の可能性も!気を付けたい生あくびは?
眠気がないにも関わらず起こる生あくび。
眠たくないにも関わらず頻繁に生あくびが出る場合は病気の可能性もあるため、一度検査を受けましょう。ここでは生あくびが出るときに特に気を付けたい病気を解説します。
脳卒中
脳卒中は、脳の血管が破れたり詰まったりすることで脳が障害を受ける病気の総称です。
脳梗塞や脳出血、くも膜下出血があり、これらの病気の前兆や初期症状に生あくびがあります。
また脳腫瘍も脳が圧迫されることで脳梗塞と同じような症状が現れることがあります。心筋梗塞や狭心症も十分な酸素を全身に届けることができないため、病気のサインとしてあくびがみられることがあります。
脳卒中や脳腫瘍は命に関わる病気です。
激しい頭痛や手のしびれやろれつが回らないなどの症状があればすぐに救急車を呼びましょう。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に一時的に呼吸が止まったり呼吸の回数が少なくなったりする病気です。
呼吸の質が悪くなることで、睡眠中に十分な酸素を体に取り込めず睡眠の質が悪くなって、翌日のパフォーマンスに影響を及ぼします。
しっかり寝ているはずなのに、あくびが頻繁に出たり眠気を感じたりする場合には、専門の医療機関を受診し相談してみましょう。
まとめ
眠気がないにもかかわらず、あくびが出るときは片頭痛や酸欠状態、病気により起きている可能性があります。あくびの症状やその他の症状があるときは、室内を換気しつつ横になって安静にすることが大切です。
日常生活では適度な運動と十分な睡眠を心がけながら、症状が治まらないときは医師の診察を受けましょう。
大清水クリニックでは、患者様の症状を和らげ、快適な毎日をお過ごしいただけるよう診療に努力いたします。
また大清水クリニックでは、子供の頭痛はもちろんのこと、めまい・しびれに悩む女性に寄り添った治療もご提案しています。
つらい頭痛・めまい・しびれ等にお困りの方は名古屋市緑区の大清水クリニックへお気軽にご相談ください。