【群発頭痛は治るの?】頭痛の特徴と発作が起こったときの応急処置

群発頭痛は、頭痛のタイプとしては非常に珍しく、その発生頻度は0.1%以下と言われています。
別名「痛みの王様」と呼ばれるほどの激しい頭痛が特徴で、一度発作が起こると連日痛みに悩まされることになります。
日常生活に支障をきたすことも多く、群発頭痛の診断を受けた方は、「この痛みが一生続くの?」と不安になることでしょう。
群発頭痛とうまく付き合っていくためには、発作の予兆を察知して早めに対策をとること、発作の頻度や程度を抑えられるようにコントロールすることが重要です。
今回は、群発頭痛を予防する上での注意点・急な頭痛発作時の対処法について解説します。群発頭痛と診断された方・その疑いがある方も、あきらめず前向きに対処していきましょう。

 

群発頭痛の特徴

群発頭痛の最大の特徴は、ほかのタイプとは明らかに異なる激しい頭痛です。
その痛みの強さは、「目の奥をえぐられるような痛み」「ハンマーで殴られたような痛み」と表現する患者さんもいるほど。
片側の目の奥から前頭部・側頭部にかけて、ときに頬や歯にまで痛みが及ぶこともあります。
痛みと当時に、片側の目の充血・涙・鼻水・鼻詰まりが見られ、激しい痛みによってじっとしていられず、激しく動き回るのも特徴です。
群発頭痛の発作は春や秋など季節の変わり目に生じることが多く、発作の時期は一日のうちに数回の頭痛発作があり、それが1~2か月の間毎日続きます。

 

群発頭痛は治る?発作の予防と急な頭痛の対処法

頭痛の中でもとくに痛みの強い群発頭痛ですが、残念ながら完治する治療法は確立されていません。
そのため、「発作をいかにコントロールするか」が群発頭痛の治療目標となります。
群発頭痛は、発作の間隔が半年から2年ほどで、特定の時期に集中して起こるのが特徴です。
激しい発作になるのを防ぎ、もし発作が起きても痛みを最小限に抑えるためには、発作の時期・予兆を把握して早めに対処することが重要です。

発作の時期を把握する

群発頭痛の発作は、一般的に春先や秋口など季節の変わり目に多い傾向があります。
ご自身の発作の時期を知ることは、発作に備えるために重要なことです。頭痛ダイアリーを活用し、ご自身の頭痛のパターンを把握しましょう。

発作の予兆に敏感になる

群発頭痛の発作では、脳が異常な興奮状態になります。
そのため、発作の前には「寝つきが悪い」「夜中に突然目が覚める」「おでこが紅潮する」などの予兆が見られることがあります。
群発頭痛の強い発作に備えるためには、このような予兆に敏感になり、予兆に気付いた時点で早めに受診する・予防薬を使用するなどの対策をとることが大切です。
群発頭痛の予防薬としては、ベラパミルというお薬を用いることが一般的ですが、効果がない場合はステロイドやリチウムを処方することもあります。

発作期間中は禁酒・禁煙を心がける

群発頭痛では、アルコールやタバコが発作の誘因となることがあります。
発作期間中はもちろんのこと、発作の時期が近づいたら禁煙・禁酒をするようにしましょう。
また、普段から十分な睡眠をとる・ストレスを溜めないなど、規則正しい生活を心がけることも大切です。

強い頭痛発作が起こったときの対処法

予防策を講じても強い発作が起こってしまった場合、すぐにできることは「深呼吸」です。
市販の鎮痛剤では効果がないため、群発頭痛と診断されている患者さんにはスマトリプタンの自己注射を指導し、発作時すぐに注射できるようキット製剤を処方することもあります。
注射薬の効果がない場合は、医療機関で酸素吸入を受けると改善することもあります。この場合、毎分7リットル以上の純酸素を15~20分ほど吸入する必要があり、市販の携帯酸素スプレーでは効果が期待できません。

このように、群発頭痛をうまくコントロールするためには、頭痛発作の予防・応急処置について理解するとともに、適切な薬剤の使用、規則正しい生活習慣を心がけることが非常に重要です。
ご自身の頭痛発作のパターンを把握し、前向きに治療に取り組んでいただきたいと思います。

 

つらい頭痛は我慢せず専門医に相談を

群発頭痛だけでなく、偏頭痛や緊張型頭痛もまた、うまく対処できなければ生活の質を著しく損なうことになります。
「たかが頭痛」と考えず、痛みがひどくなる前に、ぜひ専門医の診察を受けることをおすすめします。当院では、患者様一人一人に合った、最善の治療法をご提案させて頂きます。
大清水クリニックでは、患者様の症状を和らげ、快適な毎日をお過ごしいただけるよう診療に努力いたします。
また大清水クリニックでは、子供の頭痛はもちろんのこと、めまい・しびれに悩む女性に寄り添った治療もご提案しています。
つらい頭痛・めまい・しびれ等にお困りの方は名古屋市緑区の大清水クリニックへお気軽にご相談ください。

関連記事

  1. 耳の後ろが痛む頭痛「後頭神経痛」とは

  2. 生理前・生理中の頭痛の原因と対処法

  3. 【頭痛外来医師執筆】群発頭痛の症状や治療法・予防薬について

  4. 【偏頭痛専門医監修】頭痛はずる休み?職場で誤解されずに理解を…

  5. 頭痛は冷やす・温める?どっちが正解?専門医が解説

  6. 【頭痛専門医解説】こめかみが痛む原因と対策

PAGE TOP