寝すぎでなぜ頭痛が起きる?その仕組みと治し方

日々の疲れを癒すために休日に寝だめをして起きると頭痛がしたという経験はありませんか?
その頭痛の原因は寝すぎで起こっているかもしれません。ではなぜ寝すぎで頭痛が起こるのでしょうか?

この記事では、寝すぎでおこる頭痛の仕組みや頭痛の種類、頭痛が起きたときの対処法、適切な睡眠について、頭痛専門医が解説します。

寝すぎで頭痛がするのはなぜ?

睡眠不足による体調不良をカバーしようとして、休日に寝だめをしたら起きたときに頭痛がすることがあります。

しっかり寝ているにも関わらず起こる頭痛は、いつもより長い時間睡眠を取ったことで、脳の血管が拡張したために起こると考えられています。

脳の血管が拡張すると、三叉神経が刺激されて大脳が信号を受け取って頭痛が起こるのです。

また、睡眠中は横向きの姿勢がつづくため、首や肩などに負担がかかりやすくなって周辺部位の血流が悪くなることも頭痛が起こる原因のひとつです。

寝すぎで起こる頭痛の種類と原因

寝すぎで起こる頭痛は主に二次頭痛と呼ばれる頭痛によって引き起こされます。代表的なのが「片頭痛」と「緊張型頭痛」です。ここからは、片頭痛と緊張型頭痛について解説していきます。

片頭痛

片頭痛は、何らかの原因で脳の血管が拡張することで、頭の片側・両側に脈を打つような痛みを伴う頭痛です。

こめかみから目、後頭部にかけて数時間から数日間程度、ズキズキと痛い脈打つ頭痛を感じます。
また、症状がひどくなると吐き気や頭痛を伴うことがあり、光や音に過敏になる人もいるのが特徴です。

寝すぎによって起こる片頭痛は、睡眠中に副交感神経が優位になったために、頭の血管が拡がることで起こると考えられています。
寝すぎのほかにも昼寝のあとにもしばしば見られます。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、後頭部から首筋にかけて筋肉が緊張することで、締め付けるような圧迫感を伴う頭痛です。
頭を締め付けられているかのようなずっしりとした痛みが特徴で、身体的あるいは精神的なストレスが原因となって起こります。

寝すぎで起こる緊張型頭痛は、寝相が悪いまま長時間寝ていることで、肩や首に負担がかかり血行不良になることが原因です。

頭痛の緩和に効果的なツボ6選

脈を打つような頭痛や締め付けられるような頭痛には、それぞれ効果的なツボを刺激することで症状緩和が期待できます。ここからは、片頭痛・緊張型頭痛それぞれにおすすめのツボを計6つ紹介します。

片頭痛の緩和に効果的なツボ3つ

頭の片側、もしくは両側のこめかみあたりがズキズキと痛むときは、脳の血管が広がっているサイン。特に女性は生理前などのホルモンの変化でも片頭痛や過眠を引き起こしやすくなることが分かっています。

片頭痛があるときは以下のツボを刺激してみましょう。

・攅竹(さんちく):眉間の少し下にある小さなくぼみにあるツボ、疲れにも有効
・手三里(てさんり):肘を曲げたときにできる横ジワから手首側に指3本分のところにあるツボ
・崑崙(こんろん):外側のくるぶしのアキレス腱の間にあるくぼみのツボ、足の血行促進にも有効

これらのツボを、適度な指圧で3~5秒かけてゆっくり刺激しましょう。

緊張型頭痛の緩和に効果的なツボ3つ

後頭部や側頭部にベルトで締め付けるような痛みがあるときは、血行不良により血の巡りが悪くなっているサイン。そんなときは、血流を改善してリラックス効果も期待できるツボを刺激してみましょう。

・百会(ひゃくえ):頭頂部に向かって両耳と鼻の延長線が交わったところにあるツボ、肩こりや眼精疲労、自律神経を整えるのにも有効
・風池(ふうち):耳の後ろの骨と、後頭部のくぼみの中間にあるツボ、肩こり、鼻づまりにも有効
・太陽(たいよう):目と眉の端の中間点から指2本分外側にあるくぼみにあるツボ、眼精疲労にも有効

これらのツボも、手のひらや親指で気持ち良いと感じる程度の指圧で刺激しましょう。テニスボールやヨガボール、専用の器具などを使うのも良いですね。

寝すぎによる頭痛が起きたときの対処法

寝すぎで頭痛がおこったとき、片頭痛か緊張型頭痛下で対処方法が異なります。

ズキズキと脈打つような痛みがあるときは、首の後ろを冷やしましょう。
拡がった血管を元の状態に近づけることで痛みが緩和します。
締め付けられるような痛みがあるときは、肩や首周辺を温めましょう。
筋肉の緊張をほぐすことで痛みが緩和します。

痛みの区別がつかない場合には、まずはゆっくり横になり症状が落ち着くのを待ちましょう。
その上で、改善しない場合にはロキソニンやイブプロフェンなどの鎮痛薬を服用しましょう。

片頭痛の対処法

片頭痛は血管の拡張により頭痛が引き起こされるため、首の後ろを冷やします。

頭痛が起きているときは光や音に敏感になりやすく、悪化の原因にもなるため、暗く静かな場所で安静できる場所に移動しましょう。
職場や学校などで、暗く静かな場所に移動できない場合は、椅子に座って安静にするようにします。

片頭痛のケアで大切なのは、頭痛をこれ以上悪化させないことと、頭痛を誘発させないことです。

普段から睡眠の過不足を避けて、生活習慣を整えましょう。
そして、頭痛を誘発する特定の原因が分かっているときは、それらを避けることも大切です。
光や音、食べ物、飲み物、気圧など、特定の物へのできる限りの対策をしていきましょう。

緊張型頭痛の対処法

緊張型頭痛は、片頭痛のように寝込むほどの痛みではないと言われますが、痛みの感じ方は人それぞれで、頭や肩、首にかけて重苦しい感じや、頭をベルトで締め付けられているような痛みが特徴です。

緊張型頭痛は周辺の筋肉のこりなどによる血流不足が原因のため、まずは首や肩周辺をマッサージしたり、ストレッチをしたりして体の緊張をほぐしましょう。
可能であれば、こりを感じる場所に蒸しタオルなどをあてて、ピンポイントで温めると効果的です。

緊張型頭痛は、身体的・精神的ストレスによるものが多いため、適度に休憩や休息をとってストレスケアをすることも大切です。週末にまとめて寝だめするよりも、毎日1時間でも早く寝ることを心がけましょう。

適切な睡眠時間で頭痛を予防しよう

寝すぎでも寝不足でも起こってしまう頭痛は、適切な睡眠時間を確保して規則正しい生活を送ることが大切です。

夜寝付くまでに時間がかかる人は、寝る前にヨガやストレッチをしたり、アロマや音楽をかけたりしてリラックスできる方法を見つけてみましょう。
また寝具を見直すことも大切です。

どうしても長い睡眠時間を確保できないときは、お昼寝の時間を設けることも検討してみてください。
15~30分程度の昼寝は、午後からの家事や仕事などのパフォーマンスを高める効果も期待できます。

まとめ

休日に時間を気にすることなく寝ると体がすっきりしますが、一方で寝すぎによる頭痛が起こることもあります。
寝すぎによる頭痛は、頭痛の種類によっても対処法が異なるため注意しましょう。
寝具環境や寝る前のルーティンを見直しながら適切な睡眠時間を確保することが大切です。

大清水クリニックでは、患者様の症状を和らげ、快適な毎日をお過ごしいただけるよう診療に努力いたします。
また大清水クリニックでは、子供の頭痛はもちろんのこと、めまい・しびれに悩む女性に寄り添った治療もご提案しています。

つらい頭痛・めまい・しびれ等にお困りの方は名古屋市緑区の大清水クリニックへお気軽にご相談ください。

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