【専門医監修】頭部から首の後ろにかけての頭痛。原因や緩和方法についてお伝えします

後頭部から首の後ろにかけて重い感じがする」「頭痛だけでなく肩こりもある」など、頭だけでなく首や肩にまで症状が及ぶタイプの頭痛にお悩みではないでしょうか?
季節の変わり目でストレスを感じやすい時期は、片頭痛や、首や肩にも症状が出るタイプの頭痛に注意が必要です。また頭痛の症状の回数が多い・強い場合には早めに検査を受けましょう。
今回は、頭部から首にかけて起こる頭痛の原因と、その対処法について解説します。つらい症状にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

頭部から首にかけて起こるタイプの頭痛とは?

頭だけでなく、首や肩にかけて痛みが及ぶタイプの頭痛は、次の3つが考えられます。それぞれの特徴と症状などを解説します。

緊張型頭痛

首や肩の筋肉が過剰に緊張し、周囲の血管や神経が圧迫されて起こる頭痛です。
長時間のパソコンや無理な姿勢を続けることで起きる血行不良や自律神経バランスの乱れが生じることで、頭痛・肩こり・めまいなどの症状が現れます。

緊張型頭痛は、身体的なストレスと、精神的なストレスの2種類に分かれます。
身体的なストレスが要因の場合は、首筋の筋肉が弱い方ほど頭痛が起こりやすい傾向があります。これは、筋肉が弱いことで、頭部をしっかりと支えることができないためです。
精神的なストレスが要因となる場合は、緊張状態が長時間続くことで、痛みを調整する脳の部分が上手く働かず頭痛を引き起こします。真面目な方や几帳面な方がかかりやすいのが特徴です。

これらの頭痛は、後頭部から首にかけての圧迫感や、「頭の両側をはちまきで締め付けられるような痛み」と訴える方もいます。一時的であれば、まずは安静に過ごしましょう。

痛みが長く続く場合や、発熱や吐き気などほかにそのほかに気になる症状がある場合、痛みが強い場合などは、我慢せず医療機関を受診しましょう。

頚性頭痛(頚性神経筋症候群)

頚性頭痛は、「首のこり」を原因とする頭痛です。
首の後ろ側の筋肉に過度な負担がかかると、首を支える筋肉が過度に緊張します。すると、頭痛だけでなく、肩こり・めまい・睡眠障害などさまざまな症状を引き起こすのです。
これらの症状の前段階として、慢性的な倦怠感やだるさ、何となくやる気が出ないなどの症状も考えられます。

現代人はパソコンやスマートフォンの長時間の使用などにより、首に負担をかけやすくなっています。この状態が慢性的に続くことも発症の原因です。
1日に何時間もスマートフォンやパソコンの操作をする人は意識して休憩やストレッチを挟むようにしましょう。

後頭神経痛

首は、たくさんの神経・筋肉が複雑に入り組む場所です。この首を通る神経が、首の筋肉が過剰に緊張により圧迫されると、首・後頭部・頭のてっぺん・耳の後ろなどに痛みを感じることがあります。

後頭神経痛には頭痛と神経痛の1つで、3つの種類に分けられますが、それぞれ痛みが起こる場所が異なるだけで、痛みの感じ方や程度は同様です。
チクチク、キリキリ、ズキズキなど片頭痛のような痛みのほかに、片側の後頭部から頭頂部が痛んだり、電気が走るようなビリっとした痛みを感じたりすることがあります。

1週間ほどで自然に治まる場合が多いですが、痛みが強い場合や、痛む回数が多い場合などは早めに医療機関を受診し検査を受けましょう。

このタイプの頭痛に共通する原因とは?

緊張型頭痛・頚性頭痛・後頭神経痛など、頭部から首の後ろにかけて痛みを感じるタイプの頭痛には、ある共通点があります。
それが、首の筋肉の過剰な緊張、つまり「首のこり」です。
首は、5kgほどもある重い頭部を支えながら、脳と身体をつなぐ重要な部位です。
さらに、神経や血管が集中する場所でもあり、首の筋肉が過剰に緊張して神経や血管が圧迫されると、身体にさまざまな症状が現れます。
首がこる原因としては、長時間のパソコン作業やスマホの使用、それによる不自然な姿勢やストレートネック(首本来の自然なカーブが失われ、首が不自然に真っ直ぐになった状態)、極度の緊張や悩みごとや不安などの精神的ストレスや自律神経の乱れなどがあります。
とくに、昨今では新型コロナウイルスの影響で在宅ワークをする方が増えました。身体にフィットしない机や椅子を使用してパソコン作業をされる方は、このタイプの頭痛に見舞われやすいと言えるでしょう。
また、自粛生活や在宅ワークによって普段の生活リズムが崩れることも、ストレスや自律神経を乱す原因になります。
このように、長時間のパソコン作業・不自然な姿勢でのデスクワーク・ストレスなど、首がこる原因は普段の生活と密接に関係しています。
頭痛を治そうと鎮痛剤に頼りたくなる気持ちもわかりますが、まずは頭痛の原因を知り、原因に応じた対処をすることが大切です。

そのほかの頭痛の種類

このほかにも頭痛には片頭痛や群発頭痛などがあります。これらもときに頭部や首の後ろに痛みやだるさを感じることがあります。特に群発頭痛は周期的に発作が起こるため、適切な治療が大切です。

片頭痛

片頭痛とは、何らかの原因で血管が拡張することで頭の片側・両側に脈を打つような痛みを伴う頭痛を言います。

この片頭痛はこめかみから目、後頭部にかけて数時間~数日間ズキズキと痛むのが特徴です。症状がひどくなると吐き気や頭痛を伴うことがあり、光や音に過敏になる傾向があります。人によっては頭や首のだるさを感じる可能性もあります。

片頭痛は、女性に起こりやすいことが分かっており、女性ホルモンと関連があります。また、睡眠不足や天候の変化、特定の食べ物、栄養不足なども片頭痛を誘発するため、こうした要因には特に注意しましょう。

片頭痛はキラキラとした光などの視覚性の前兆が起こるため、このような粗油上があれば休憩を取りましょう。

群発頭痛

群発頭痛は、1か月くらいの間に毎日ほど決まった時間に、片方の目の奥が激しく痛む頭痛で「耐えられないほどの痛みだ」と表現する人もいるほどです。こうした発作は、年に1~2回周期的に起こります。男性に多く、20~30代に発症することが多いです。

はっきりとした原因は分かっていませんが、目の後ろにある太い血管が拡張して、その周囲に炎症が起こり神経を刺激するために起こると考えられています。

群発頭痛自体は命に関わるものではありませんが、激しい目の痛みを伴うものの中には、脳卒中などの命に関わる症状の可能性があります。突発的に頭部に激しい痛みがあれば、すぐに救急車を呼びましょう。

首からくる頭痛を和らげる方法

首のこりが原因の頭痛の場合、まずは首への負担を軽くし、筋肉の過剰な緊張を防ぐことが重要です。
また、精神的ストレスも影響しているため、心身ともにリラックスすることも大切なポイントとなります。
首のこりや頭痛を予防・緩和する方法を、いくつかご紹介します。

長時間のパソコン作業・スマホの使用を避ける

日常的にデスクワークをされる方はもちろん、時間が空くとついスマホを見てしまう方は、長時間の連続作業・連続視聴を避けるようにしましょう。
また、長時間パソコン作業をする方は、姿勢の見直しやパソコンモニタと目線の位置を調整して作業しやすい環境を整えることも大切です。こまめな休憩を取り、休憩中は目をつむって休ませるようにしましょう。

不自然な姿勢にならない工夫をする

仕事でパソコンの使用が避けられない方は、作業中の姿勢を意識しましょう。
ディスプレイの位置は身体から40cmほど離し、視線がやや下になる位置に調整します。机の高さは、肘が90度に曲がり自然にキーボードを触れる位置がベストです。
椅子の高さも、足裏が床にピッタリと密着する高さに調整します。

作業の合間にストレッチをする

作業中は疲れを感じる前に休憩を挟みましょう。頭痛や片頭痛は肩や首周辺の筋肉が緊張していると起こりやすいです。上半身の伸び・首回し・肩回しなどのストレッチを行い、首や肩周辺のこりをほぐすようにしましょう。

首・肩を温める

片頭痛や頭痛は、首や肩を温めることで症状がラクになることがあります。特に片頭痛の場合は、首の付け根が凝りやすくなるため、周辺を温めると良いでしょう。
首や肩を温めることで、リラックス効果や血流改善効果が期待できます。
入浴やホットタオルで、首・肩の周囲をじんわりと温めましょう。

適度な運動をする

ウォーキングやジョギングなどの運動を習慣的に行うことは、首・肩こりを緩和して血行不良を改善するだけでなく、ストレス解消にもつながります。
「毎日は無理!」という方は、週2~3回からでも運動習慣を取り入れてみましょう。

いつもと違う頭痛・はじめて経験する頭痛は早めの診察を

首のこりが原因の頭痛は、身体を休めたり、リラックスしたりすることで緩和する傾向があります。
また、仕事やストレスなど普段の生活が大きく影響するため、生活習慣を整えることも大切です。
多くの場合、ご紹介した方法で予防・緩和できると考えますが、どうしても良くならない場合は薬による対症療法も必要です。
稀ではありますが、「痛み方がいつもと違う」「はじめて経験する痛み」など、『なんだか変だな』と感じる頭痛や、手のしびれ・吐き気などを伴う頭痛は危険な病気が潜んでいることもあります。
そのようなときは、迷わず医療機関を受診してください。
大清水クリニックでは、患者様の症状を和らげ、快適な毎日をお過ごしいただけるよう診療に努力いたします。
また大清水クリニックでは、子供の頭痛はもちろんのこと、めまい・しびれに悩む女性に寄り添った治療もご提案しています。
つらい頭痛・めまい・しびれ等にお困りの方は名古屋市緑区の大清水クリニックへお気軽にご相談ください。

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