【慢性的な頭痛】考えられる原因と対処法

当院の頭痛外来にご相談に来られる患者さまは、ほとんどの方が慢性的な頭痛に悩まされています。
当院では、患者さま一人ひとりに合った治療をモットーとしており、お薬に頼り切らない、生活習慣の改善や頭痛の憎悪因子の除去も重要視しています。

慢性的な頭痛の解消に重要なこと

一言で頭痛といっても、痛みが起こる部位や症状、痛みが起こる頻度は様々です。当院の頭痛外来では、まずその患者さまが苦しむ頭痛の原因となっている、増悪因子を分析し突き止めることからはじめます。そこから、その原因に対し有効な生活習慣の改善をお願いし、必要な場合は、お薬で痛みを抑える方法を取っています。

痛みから解放されることを第一に考え、市販の薬を乱用し、それが原因でさらに頭痛が悪化してしまった患者さまもたくさんいらっしゃいますが、痛みをお薬で抑えるだけの方法は根本的な治療にはなりません。

今回は、増悪因子について、また増悪因子を突き止める方法を頭痛外来医が解説します。

頭痛の増悪因子

精神的因子

精神的な疲れも、頭痛の原因となることがあります。ストレス、精神的緊張、疲れ、ストレスからくる睡眠不足または過睡眠など。

他にも、仕事や学校で起きるストレスから解放される休日にだけ頭痛がある場合もあり、これは、ストレスから解放さると急に血管が拡張することがあり、それが頭痛の原因となることもあります。

内因的因子

患者さまが、女性の場合は、月経周期が頭痛の原因となることもあります。排卵時と月経期に卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が入れ替わる内部環境の変化に体がすぐ適応できず、そこで頭痛という症状として現れるのです。更年期には、さらにそのバランスが崩れ、慢性的な頭痛に悩まされる患者さまも多いです。
詳しくはこちらの記事もごらんください。

環境因子

中でも、気圧の変化や気温の変化で、頭痛を訴える方が多く、比較的多いのがこちらの環境的因子です。最近は、テレビの天気予報やスマホアプリでも急激な気圧の変化が予想される際にアナウンスしてくれるものもあるようで、メジャーな頭痛の因子かもしれません。
その他にも、香水やお香などの香りの強いものが頭痛を引き起こす因子となる場合もあります。

食事性因子

あまり多くはありませんが、特定の食品を口にすることで頭痛が起こる患者さまもいらっしゃいます。その中でも比較的多いのが、ワイン、ピーナッツ、チョコレート、チーズなど。それ以外の食べ物でも因子となる可能性があります。
その他にも、アルコール類を摂取した際や、空腹時に頭痛を感じる方もいらっしゃいます。

こう並べただけでも、かなりの憎悪因子があることがお分かりいただけるかと思います。
特に精神的因子については、患者さまご自身も気が付いていない場合がありますので、頭痛に悩まれているご本人が憎悪因子を見極めることは、非常に困難であるように感じます。

慢性的な頭痛に悩まされている方は、一度神経内科や頭痛外来があるクリニックにご相談ください。患者さまの中には、『痛みがない時には、相談しにくい』『市販薬で抑えているから大丈夫』『頭痛もちだからあきらめている』という方もいらっしゃいますが、前述した通り市販薬の乱用がさらなる頭痛の原因となる場合や、頭痛自体がストレスとなること、頭痛以外の病気が隠れていることも少なくありません。

医療機関で、しっかりした憎悪因子の分析を行い、適切な処置を行うことで、頭痛のない健康的な生活を手に入れましょう。

クリニックに行く前に

来院される前に、セルフチェックや頭痛ダイアリーをつけることで憎悪因子の追及がスムーズに行う事が出来ます。
ぜひ、クリニックでご相談される前に、メモを残してみてください。

頭痛セルフチェック

●頭痛が起きる回数

どれくらいの頻度で、頭痛になりますか? 月に( )回・週に( )回・毎日

●痛みの質

どんな痛みを感じますか? ドクンドクンとした拍動性・ギューッと締め付けられるような収縮性・単発で起こる刺すようなチクチクした痛み

●頭痛の持続時間

痛み始めてから治まるまでどれくらいの時間がかかりますか? 数秒ほど・数分から数十分・数時間、またはそれ以上

●頭痛の強さ

痛みはどれくらいの強さですか? おきていられない・じっとしていられない・なんとか仕事ができる

●痛みの部位

痛みを感じる部分はどこですか? 右半分・左半分・左右の目の奥・後頭部・こめかみ

●随伴する症状

同時に起こる症状はありますか? 涙や鼻水がでる・嘔気や嘔吐を伴う・倦怠感・眠気・めまい・下痢

頭痛ダイアリーのつけ方

●頭痛が起こった日時
●症状(痛みの質、強さ、随伴して起こった症状)
●薬の名称、効果
●生理周期
●食べたもの

大清水クリニックで患者さまにお渡ししている頭痛日誌です。

大清水クリニックでは、頭痛の専門医が頭痛・めまい・しびれに悩む女性に寄り添った治療をご提案しています。
つらい頭痛・めまい・しびれ等にお困りの方は名古屋市緑区の大清水クリニックへお気軽にご相談ください。

関連記事

  1. 【専門医解説】リモートワークで頭痛の頻度が上がる?解消法を紹…

  2. 【専門医解説】頭痛と高血圧の関係とは

  3. 【専門医が教える】寒い時期は寒冷刺激に要注意!冬に起こる頭痛…

  4. 【専門医監修】あくびは頭痛の前兆?一緒に起こる場合の原因

  5. 女性の更年期障害の頭痛、肩こりなどの症状と薬について

  6. 頭痛は冷やす・温める?どっちが正解?専門医が解説

PAGE TOP