【専門医による】眠気と頭痛にお悩みの方。引き起こす原因を解説

日中の眠気や、眠気を伴う頭痛にお困りの方はいないでしょうか?
眠気と頭痛には関連性があり、体の異変を知らせるサインとして症状が現れることもあるのです。そのため、市販の痛み止めやコーヒーで症状を紛らわし、セルフケアでなんとかしようと考えている方は注意が必要です。

今回は眠気と頭痛の関連性や、症状が現れる原因・考えられる病気について頭痛専門医が解説します。日中の眠気・頭痛にお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

 

眠気を伴う頭痛、その原因は?

眠気と頭痛には関連性があり、原因を見極めることが非常に大切です。まずは、眠気と頭痛を引き起こす主な原因・病気について正しく理解しましょう。

脳梗塞の前兆としての眠気・頭痛

脳梗塞は、何らかの原因で脳の血管が細くなったり詰まったりした結果、脳へ十分な血液が行き届かず、脳細胞が壊れてしまう病気です。
主な症状は頭痛・手足のしびれ・言葉の出にくさなどですが、脳梗塞の前兆として急激な眠気が現れることもあります。このような症状が現れるのは、脳への血流が途絶えることにより、酸素や栄養が十分に行き渡らないことが原因です。
一時的に症状が現れてすぐに改善する場合もありますが、多くの場合は再び発作を起こし、重篤な後遺症を残すこともあります。
脳梗塞を引き起こす背景には、動脈硬化・脂質異常症・高血圧などの生活習慣病があり、近年では若くして脳梗塞を発症するケースも珍しくありません。

貧血による眠気・頭痛

貧血になると、血液中のヘモグロビン(酸素を運搬する働きを持つ色素)が減少します。その結果、脳への酸素供給が不足し、眠気・頭痛・吐き気を引き起こすことがあります。
「日本人女性の10人に1人が鉄欠乏性貧血」というデータもあり、月経・妊娠・出産を経験する年代の女性はとくに注意が必要です。

睡眠時無呼吸症候群による眠気・頭痛

睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている時に何度も呼吸が止まってしまう疾患です。この睡眠時無呼吸症候群は、「高血圧」「糖尿病」「心筋梗塞」「脳梗塞」などのさまざまな病気のリスクが高いことが分かっています。
医学的には10秒以上呼吸が止まる状態を「無呼吸」といい、平均して1時間のうちに5回以上、無呼吸になると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
寝ている時に何度も呼吸が止まると、睡眠の質が低下してしまいます。夜中に何度も起きたり、眠りが浅くなったりして睡眠障害を引き起こす可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群になると、日中の強い眠気や頭痛、集中力の低下などの症状が現れます。仕事や家事などの大きな影響を及ぼすことがありますが、自分では睡眠時無呼吸症候群だと気づかないケースもよく見られます。

家族からいびきを指摘されたり、しっかり睡眠時間を確保しているにも関わらず日中に強い眠気があったりする場合は、医療機関を受診しましょう。

睡眠の過不足による眠気・頭痛

睡眠時間や睡眠の質も、頭痛と関連性のあるもののひとつです。
睡眠中に偏頭痛や群発頭痛を生じ、それによって睡眠が妨げられると、脳が十分に休むことができず日中に強い眠気を感じることがあります。
さらに、日中に眠気を感じるからといって睡眠をとりすぎることも、頭痛の要因となり得ます。
睡眠中は副交感神経が優位になり、血管が広がって心拍数が減少した状態です。長時間の睡眠で副交感神経が優位になった状態から、起床して交感神経に切り替わった際に血流が急激に増えると、それが原因で頭痛を引き起こすことがあります。

ほかにも、片頭痛が起こる前の予兆として眠気を感じる場合や、生理前のホルモンバランスの変化・更年期障害などの女性ホルモンの変化によって眠気・頭痛が引き起こされるケースもあります。
いずれの場合も、眠気・頭痛の原因となる根本的な問題を見つけ、適切に対処することが大切です。

季節の風邪による眠気・頭痛

季節の変わり目は、朝・昼・晩で寒暖差が激しく、体温調整が難しくなります。すると、自律神経のバランスが崩れやすくなって風邪をひきやすくなるため注意しましょう。
風邪を引くと、体はいつもより省エネモードになって体を休めようとします。すると、いつもより眠気を感じやすくなります。
季節の変わり目は、規則正しい生活を心がけることが大切です。適度な運動、十分な睡眠、バランスの取れた食事を意識して、季節の風邪を予防しましょう。インフルエンザや新型コロナウイルスなどは、流行前に予防接種を受けましょう。

慢性疲労症候群による眠気・頭痛

疲労や眠気、頭痛が長期間続く場合は、慢性疲労症候群の可能性があります。慢性疲労症候群は、見た目には異常が見られないものの、本人にとっては日常生活を送れないほどの倦怠感や疲労感が半年以上にわたって続く病気です。
現在、研究が進められていますが、いまだはっきりとした原因は分かっていません。男性よりも女性がなりやすい傾向があり、几帳面な性格な人や真面目な性格の人がかかりやすいと言われています。
慢性疲労症候群の主な症状は疲労や頭痛ですが、睡眠障害や関節痛、物忘れ、思考力の低下などの症状が現れることもあります。悪化すると抑うつなどの精神的なストレスも増えるため、適切なケアが大切です。

片頭痛による眠気・頭痛

頭の片側がズキズキ痛むときは、片頭痛かもしれません。特に片頭痛は頭痛が起こる数時間~数日前に現れる前兆症状の1つに眠気があります。眠気やあくび、気力低下があり、のちに頭の片側がズキズキ痛むときは片頭痛の可能性があります。
この片頭痛は、神経質な人や几帳面な人がなりやすいことが分かっています。ストレスや疲労が起因することもありますが、はっきりとした原因は分かっていません。
特に片頭痛は男性よりも女性の方がかかりやすいことが分かっています。特に月経前に片頭痛になりやすい傾向があるため、過度な飲酒や気温・気圧の変化、特定の環境などに十分注意しましょう。
そしてストレスや疲労は片頭痛を悪化させる可能性があるため、十分な休息をとってストレスケアをすることが大切です。

眠気・頭痛の起こるタイミングや生活習慣をチェックしてみましょう

脳梗塞の前兆を除き、その他の原因による眠気・頭痛は緊急性のあるものではありません。
しかし、症状にストレスを感じたり、日常生活に支障をきたしたりすることもありますので、放置せず適切に対処することが大切です。
なるべく早期に専門医に相談されることをおすすめしますが、ぜひその前に「眠気・頭痛の起こるタイミングや頻度」「普段の生活習慣(食事・運動・睡眠時間など)」をチェックしておくと良いでしょう。
頭痛の診察では、症状の特徴や生活習慣などの情報が貴重な診断材料となります。普段の生活や気になる点について、些細なことでも構いませんのでぜひお聞かせください。

 

症状にお困りの方・原因がわからない方は頭痛専門医にご相談を

眠気や頭痛の程度が軽いと、つい自己判断で様子を見て、セルフケアで乗り切ろうと考えがちです。
しかし、症状の影には緊急性のある病気が隠れていることもあり、自己判断で放置するのは大変危険です。
根本的な原因を見つけ、適切に対処するためには、専門医による診断・治療が重要となります。少しでも気になる症状のある方は、ぜひ当院の頭痛専門医にご相談ください。
大清水クリニックでは、患者様の症状を和らげ、快適な毎日をお過ごしいただけるよう診療に努力いたします。
また大清水クリニックでは、子供の頭痛はもちろんのこと、めまい・しびれに悩む女性に寄り添った治療もご提案しています。
つらい頭痛・めまい・しびれ等にお困りの方は名古屋市緑区の大清水クリニックへお気軽にご相談ください。

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